「感染列島」ネタバレ感想と考察【コロナ時代の今こそ観るべき】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

感染列島

2009年、瀬々敬久監督によって制作された作品。

新型ウイルスが蔓延した日本の物語。

上映時間は138分。

あらすじ

舞台は日本、いずみ野市立病院

ある日、救急救命医「松岡剛」の元に、

とある一人の患者が迷い込んできた。

 

インフルエンザの検査をするも結果は陰性

松岡は「風邪」と診断し、

自宅療養を促すのだった。

 

後日、同じ患者が急患で運ばれてくる。

高熱、嘔吐、吐血、そして全身からの出血が

見られる、これまでに見たことがない症状だった。

結果、患者は死亡し

その日から、ウイルスとの戦いが始まることとなる…。

出演役者

本作の主人公、救急救命医の「松岡剛」を演じるのが

「妻夫木聡」

 

今作のヒロイン、同じ医師である「小林栄子」を演じる

檀れい

 

同じ院内の看護師である「三田多佳子」を演じるのが

「国仲涼子」

 

松岡の先輩医師にあたる「安藤一馬」を演じるのが

佐藤浩市

 

見どころ「コロナ時代の今こそ観るべき作品」

今現在、新型コロナウイルス

世間を賑わす時代になっているが、

今回の映画はまさに、

今の時代を予測したかのような脚本となっている。

 

作中のウイルスの感染経路は

コロナと同じ「飛沫」であり、

日本を飲み込んでいくまでの時間経過を

細かく描いている描写が、

よりウイルスへの恐怖を感じさせるだろう。

 

今訪れる、コロナ時代に刺さる作品でもあり、

映画が公開された3ヶ月後にも

新型インフルエンザが流行を見せている。

 

ウイルスと戦う時代が来ていることへの

警鐘を鳴らすような作品だろう。

 

配信コンテンツ

「感染列島」は今現在、

Amazonプライム、NETFLIX、dTV、等で配信されている。

Amazonプライム

ネタバレあらすじ

舞台は日本、いずみ野市立病院

ある日、救急救命医「松岡剛」の元に、

とある一人の患者が迷い込んできた。

 

インフルエンザの検査をするも結果は陰性

松岡は「風邪」と診断し、

自宅療養を促すのだった。

 

後日、同じ患者が急患で運ばれてくる。

高熱、嘔吐、吐血、そして全身からの出血が

見られる、これまでに見たことがない症状だった。

結果、患者は死亡し、

自身の診察不足と考えた松岡は

酷く責任を感じるのだった。

 

そして数日後、

同じ症状の病気の患者は6名に増えていた。

原因究明に急ぐ対策委員会は、

当時流行していた「鳥インフルエンザ」

原因ではないかと考え、

とある養鶏場に視察に行くのだった。

 

一方、病院には、WHOの医師である、

「小林栄子」が訪れることになる。

世界で「ウイルス」との戦いに明け暮れていた彼女は、

新型ウイルス対策第一人者であり、

松岡をはじめとする病院の従業者のトップに立つのだった。

 

そして、松岡の先輩医師である「安藤一馬」

感染が確認され、病床に付くこととなる。

そして急激な悪化により、

間もなく死亡してしまうのだった。

 

第一感染者の死亡から9日、

感染者は2000名を超え、死亡者は800名にも及んでいた。

剛と英子も養鶏場を訪れ、視察をするも、

手がかりを得ることはできなかったのだった。




第一感染者の死亡から2週間後、

ウイルスは日本全域に拡大していた。

飾りのリーダーと化していた英子は、

今一度、感染リスクを背負って病院で働くことを

従業員に周知し、覚悟させるのだった。

 

養鶏場の主が「ウイルスは自分のせい」と思い込み、

自殺してしまった矢先、やっとウイルスの原因がわかる。

それは「鳥インフルエンザ」ではなかったのだった。

新型ウイルスは「BLAME(ブレイム)」と呼ばれることになる。

 

第一感染者の彼女であった女性に話を聞いてみると、

彼女の父が東南アジアの「アボン」という島で、

医師をしていたことがわかる。

正月に帰国し、彼女の家に居た際に

三人で飲食を共にしていたのだった。

 

これに目を付けた剛は、

ウイルスに精通する教授と共に、

アボンを訪れることとなる。

アボンの奥深くの「エビの養殖場」で、

全く同じ症状のアボン人たちが大量死しているのを発見するのだった。

 

日本に検体を持ち帰り、

根本の原因がわかってくると、

ワクチンの開発に半年はかかると発表する対策委員会、

病院のメンバーはそれまで踏ん張ることを決意する。

 

英子が単身、出張に出かけることになるが、

ついにブレイムに感染してしまうこととなる。

病院で懸命の活動を続ける剛に最期の言葉を残し、

息を引き取ってしまうのだった。

 

半年後、ワクチンは完成し、

ブレイムは終息していくこととなる。

最終感染者は4000千万人

死亡者は1000万人にも昇るのだった。

 

英子を失った剛はその後、

彼女の掲げる信条を胸に、

北海道での町医者として人々を救っていく。

「明日、世界が滅ぶとも、今日君は林檎の子を植える」

ネタバレ考察

恋愛モノとして観るべからず。

本作のストーリー、

メインとなる

日本のウイルスによる感染災害を描くと共に、

ラブストーリー要素もある。

見ているこっちが

恥ずかしくなってしまうようなシーンが多いが、

本作を「恋愛モノ」と取り上げること自体が

ナンセンスな作品だろう。

題材として取り上げたウイルスに対しての取り組み方こそが、

今の時代に刺さる内容となっている。

 

そんなストーリーも主演はあの「妻夫木聡」で、

その他も豪華な役者や芸人までもが登場する作品となった。

 

時代を先読みしている作風。

今回の映画では、

ウイルスの症状や予防対策、

色々な要素が作中で描かれるが、

そのどれもが今の時代にマッチしている作品となっただろう。

 

今作で描かれるウイルスの感染経路は「飛沫」

そしてウイルスの発生源、

色々な部分で昨今のウイルスと

似ている描写がある。

 

感染対策について、

ツッコミどころは確かに多い作品ではある…が、

12年前の作品であることを

今一度考えてから鑑賞したい作品である。




医師の過酷さを描く作品。

今作ではウイルスの感染の恐ろしさを描くと共に、

作中で立ち回る医師たちの姿

とても印象に残る作品ともなった。

 

救命を行うと同時進行で描かれる、

通常では有り得ない超過労働

自身の感染リスク

そして「救える患者」「救えない患者」の見極め

医師たちの葛藤こそが

本作の大きな見どころのひとつでもある。

 

そして今現在、

働き続ける医療従事者に

改めて感謝する作品でもあるだろう。

 

メディアの闇や集団心理の闇を描く。

ウイルス、恋愛、色々な要素が絡むが、

本作にはメディアや集団心理の怖さ

漏れなく描かれている。

 

ウイルスのきっかけとして考えられた

養鶏場では、連日メディアが張り付き、

殺菌清掃が行われる。

養鶏場の娘は学校で虐められ

主は自殺してしまうことになる。

結果として

養鶏場の「鳥インフルエンザ」とは

全く関連がないことがわかると、

波が引くように去ってしまう。

 

スーパーでは食料や水分の備蓄を貯めるために、

大勢の人が殺到する。

マスクやアルコールもちろん、

乾麺や小麦粉、

トイレットペーパーに至るまで店頭から消えた

コロナ騒ぎを思い出した人も多いのではないだろうか?

 

どんなに些細なことでも「ウイルス」が

絡むとパニックとなってしまう、

人間の本質的怖さも今作では見事に描かれたのだ。