本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。
ピクセル
2015年、クリス・コロンバス監督によって制作された作品。
2010年に公開された短編映画「ピクセル」のリメイクとして作られた。
1980年代に一世を風靡したアーケードゲームの
キャラクターが多数出演するSF作品。
上映時間は105分。
あらすじ
舞台は1982年のアメリカ、
「コンピュータゲーム」という概念がアメリカでもでき始め、
主人公「サム・ブレナー」の街にも「ゲームセンター」ができる事となる。
パターンを先読みする能力や器用な動作を
得意としたサムは、
「ギャラガ」というアーケードゲームで、
世界チャンピオンとなるが、
「ドンキーコング」では世界2位の
成績となるのだった。
時は流れ2015年、
サムは電化製品の出張取り付けの
仕事をしながら平穏な生活を送っていたが、
そんなある日アメリカは、
とある「地球外生命体」に襲われることとなる…。
出演役者
本作の主人公「サム・ブレナー」を演じるのが
「アダム・サンドラー」
サムの幼馴染の親友「ウィル・クーパー」を演じるのが
「ケヴィン・ジェームズ」
本作のヒロイン「ヴァイオレット・ヴァン・パッテン」を演じる
「ミシェル・モナハン」
サムとウィルの友達である「ラドロー・レイモンソフ」を演じる
「ジョシュ・ギャッド」
見どころ「B級と侮れない、脚本の着眼点とCG」
アクションを絡ませながら、
世界を「地球外生命体」に
侵略されることとなる今作、
正直に言えば、
「くだらないコメディ要素」がとても多く、
脚本における「ツッコミどころ」も
沢山あるだろう。
その二点からも本作における「B級感」は
どうしても否めないような作風と
なってしまっているが、
鑑賞して驚いたのは、
「B級とは思えないグラフィック」だった。
そんな卓越したグラフィックを駆使し、
懐かしきアーケードゲーム、
「ギャラガ」や「パックマン」
「ドンキーコング」など、
日本が発信した数々のゲームが
惜しみなく登場するのが、
本作の面白い所だろう。
配信コンテンツ
「ピクセル」は今現在、
Amazonプライム、U-NEXT、dTV、等で配信されている。
ネタバレあらすじ
舞台は1982年のアメリカ、
「コンピュータゲーム」という概念がアメリカでもでき始め、
主人公「サム・ブレナー」の街にも
「ゲームセンター」ができる事となる。
パターンを先読みする能力や器用な動作を
得意としたサムは、
「ギャラガ」というアーケードゲームで、
世界チャンピオンとなるが、
「ドンキーコング」では世界2位の
成績となるのだった。
時は流れ2015年、
サムは電化製品の出張取り付けの
仕事をしながら平穏な生活を送っていたが、
そんなある日アメリカは、
とある「地球外生命体」に襲われることとなる…。
今ではアメリカの大統領にまで昇進していた
かつての幼馴染の「ウィル・クーパー」に
招集され原因を探るが、
「地球外生命体」の正体は、
少年時代に熱狂したアーケードゲーム、
「ギャラガ」のキャラクターそのものだった。
ある日、地球外生命体から、
電波ジャックを受け、「宣戦布告」を受けることとなる。
少年時代、優勝した人間の対戦データが宇宙へ送られ、
そのゲームプレイデータを「宣戦布告」と勘違いした、
「ヴォルーラ星人」という生命体の仕業によるものだった。
インドのタージマハルも
「アルカノイド」のキャラクターに攻撃を受け、
ヴォルーラ星人に震撼させられる地球、
そんな矢先、アーケードゲームを催した未来戦争での
三本勝負が繰り広げられるのだった。
政府はかつてのアーケードゲームのプロたちを招集する。
「神童」の異名を持つ「ラドロー」
そして、当時、
サムを抑え「ドンキーコング」の世界チャンピオンとして
君臨した「エディ」などのメンツが集まり、
「アーケーターズ」が結成される。
政府の研究員として働いていた「ヴァイオレット」は
「対ゲームキャラクター用武装」を開発し、
これをサム達に持たせるのだった。
最初の「ギャラガ」との戦闘、
まるで当時のアーケードゲームかのように忠実な
戦争となり、政府の用意した自衛隊は全く歯が立たない。
サムとラドローの頑張りによって一戦目は勝利するのだった。
二戦目は、ニューヨークの街並みをステージに見立てた、
「パックマン」での戦闘。
戦闘に勝利したと思われたアーケーターズだったが、
エディのイカサマによって、二戦目は敗北とされ、
「ゲームオーバー」となってしまう。
地球を侵略するため、
ニューヨークの街がヴォルーラ星人で溢れかえる。
ヴァイオレットの息子も星人に拉致され、
これを助けるために宇宙船に乗り込む
サムとヴァイオレットとウィルだった。
宇宙船内で「ラスボス」として立ちはだかったのは、
サムの唯一苦手としていた「ドンキーコング」だった。
苦戦を強いられるも、
世界チャンピオンを賭けた戦いのとき、
エディがイカサマをして優勝していたことを知る。
事実上の「ドンキーコング」の
世界チャンピオンはサムだったのだった。
「チャンピオンである」
という、自覚の念を取り戻したサムは、
ドンキーコングを見事クリアする。
その後、アーケーターズは国民全員から拍手喝采を貰い、
表彰されるのだった。
ネタバレ考察
コンピュータゲームへの想いを感じる脚本
少しおバカなコメディ要素が入り混じる中、
今作の「アーケードゲームにかける想い」
はとても強い作品であると感じた。
要所要所に出てくる「地球外生命体」は
全て実在するゲームキャラクターで
作り上げられ、
1〜100までが「コンピュータゲーム」で
埋め尽くされた作品だった。
物語における矛盾や無理やりな設定、
脚本の甘さは目立つ作品ではあったが、
溢れんばかりの
「コンピュータゲーム推し要素」に
マニアックな知識などが織り込まれ、
ファンには楽しめる作品に
仕上がっていた。
星の数ほどある映画作品の中でも、
今までに無いジャンルの映画であり、
これからも独自の地位を確立し、
愛され続ける作品となるだろう。
当時の日本の凄さを改めて知る作品。
今作で「地球外生命体」として襲ってくる
ゲームキャラクター、
「ギャラガ」「パックマン」
「ドンキーコング」
「スーパーマリオ」
「アルカノイド」「ダックハント」
「インベーダー」「フロッガー」
「ディグダグ」「ミサイルコマンド」など、
本作に登場する中でも、
約9割ものゲームキャラクターが
「日本発祥」の作品となった。
「え…これ本当にアメリカ映画?」
と言わんばかりの
日本のカルチャーの出演に、
今作を鑑賞した人々は、
別の意味で衝撃を受けることだろう。
ちなみに今作では、
「パックマン」の生みの親である
「岩谷徹」としての役者が登場するが、
彼は岩谷本人ではない。
しかし、「岩谷徹」本人は、
アーケードゲーム機の修理人として、
カメオ出演しているという逸話がある。
忠実すぎるゲーム性の描かれ方。
異星人に侵略されたアメリカ、
各して、人間VS異星人の戦いが
始まることとなるが、
今作で描かれる「戦争」の構図こそ、
本作の「ゲームへの想い」が
充分に伝わる作風となっていただろう。
「ギャラガ」で描かれるキャラクター、
レベルが上がることで色が変わる配色、
ニューヨークの街並みを
ステージに見立てて繰り広げられる
「パックマン」の勝負など、
数々の「レトロゲームあるある」が、
さりげなく描かれ、
アクションとして成り立っていることが
本作の面白さでもあるだろう。
中でも「テトリス」での
ビルが消えていく演出は、
脚本の発想力に
スタンディングオベーションを送りたい。
「ゲームの上手さ」を「アクション」に転用した作風
今作の映画では「コメディ要素」に加え、
「アクション要素」も加わる
SF映画だったが、
「アクション」を演じる主役の人間たちが
「オタク」であったキャラクター性が、
とても印象に残った。
「オタク」に対して、
とても肯定的に描かれる今作、
時代のニーズに合った作品となり
共感を感じる鑑賞者達も多かっただろう。
今現在、世界各国でも
「プロゲーマー」も職業として
認められつつある世の中になり、
「ゲームの上手さ」を
そのままアクションに繋げる発想は
現代をしっかり見据えた面白い脚本だった。
また、現代の子供が血の気の多い
「FPS」のゲームをプレイしており、
そんな「時代」を感じる描写も
楽しめる要素だっただろう。