「リバーズ・エッジ」ネタバレ感想と考察【LGBTや依存症が描かれる群青劇】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

リバーズ・エッジ

2018年、行定勲監督によって制作された日本映画。

90年代の日本の高校生を描いた群青作品。

上映時間は118分。

あらすじ

舞台は日本、

川の流れる工業の町。

近くの高校に通う「若草ハルナ」は、

元カレである「観音崎」にいじめられていた、

「山田一郎」を助けることとなる。

 

それをきっかけに

一郎と喋るようになったハルナは、

一郎からとある「秘密」を話してもらう。

それは、

河原に放置された人間の死体のことだった。

 

出演役者

本作の主人公「若草ハルナ」を演じるのが

「二階堂ふみ」

 

いじめられっ子である「山田一郎」を演じるのが

「吉沢亮」

 

クラスのいじめっ子である「観音崎」を演じるのが

上杉柊平

 

学校の後輩であり、

モデルとしても活躍する「吉川こずえ」を演じるのが

「SUMIRE」

 

見どころ「90年代を彷彿とさせる映画の撮り方と世界観」

数人の男女が入り混じる「群青劇」として

描かれた今作、

2018年の映画であったが、

時代背景は1990年代であり

それに合わせるようにあえて、

その時代の主となった撮り方や

カルチャーで作品は描かれた。

 

カメラの映像は4:3の

スタンダードサイズで撮影され、

90年代当時流行していた古着を初めとする

ファッションやブランドなどが

彩を放つ作品となった。

 

かつてのティーンエイジャーならではの

独特な危険な香りと雰囲気を、

映像を通して、

わかりやすく伝わる作品だっただろう。

 

配信コンテンツ

「リバーズ・エッジ」は今現在

Amazonプライム、NETFLIX、dTV、等で配信されている。

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ネタバレあらすじ

舞台は日本、

川の流れる工業の町。

近くの高校に通う「若草ハルナ」は、

元カレである「観音崎」にいじめられていた、

「山田一郎」を助けることとなる。

 

それをきっかけに

一郎と喋るようになったハルナは、

一郎からとある「秘密」を話してもらう。

それは、

河原に放置された人間の死体のことだった。

 

現場にまで足を運び、

骸骨となった死体をハルナに見せる一郎、

「これを見ていると、勇気を貰える」と言い、

死体を「宝物」と語る一郎だったが、

その事実を黙っていると決意するハルナだった。

 

一方、ハルナの元カレであり、

一郎をイジメていた観音崎は、

クラスの女子である「ルミ」を呼び出して

「クスリ」をキメてセックスをする。

観音崎は軽度の「セックス依存症」だった。

 

「死体」の存在を知っているもう一人の人物として

一郎が話したのは、「吉川こずえ」という

学校の後輩だった。

校内でも浮いていた彼女は、

「摂食障害」を患っており、

学校のトイレで食べては吐いてを繰り返すのだった。

 

ある日こずえが、美術室に隠れて食べ物を食べていると、

観音崎とルミが教室に入ってくる。

ルミは「観音崎がまだハルナを好きなこと」

触れると、二人はその場でセックスを始めるのだった。

 

一方、一郎には彼女である「田島カンナ」が居たが、

カンナに対して一郎は完全に冷え切った態度で接していた。

デートの誘いやプレゼントを貰ったりしていたが、

二つ返事で、どこか上の空で二人の時間を過ごすのだった。

二人で歩いていると、「死体」のある河原に大勢の学生が

向かう姿を確認する。

「死体」が見つかることを恐れた一郎は、

大勢の人を食い止め、ケガを負うのだった。

 

その後、いつまでも野ざらしにし、

死体が見つかることを恐れた

一郎、こずえ、ハルナの三人は、

死体を埋める作業をすることとなる。




学校でも一郎とハルナは会話するようになっていたが、

ある日、一郎は「自分がゲイであること」

そして「カンナと付き合っていることは

ゲイだとバレない為のカモフラージュであること」を、

ハルナに告白し、それを受け入れるハルナだった。

そんな二人の姿を偶然、

一郎の彼女であるカンナが目撃する。

ハルナに異常な嫉妬心を燃やすのだった。

 

とある夜、観音崎とルミは例の河原に居た。

ルミが「妊娠していたこと」を観音崎に伝え、

現金15万円を要求するが、「全ては払えない」という観音崎。

ひょんなことからもみ合いとなり、

ルミを殴り倒し、首を絞めて、気絶させてしまう観音崎だった。

殺してしまったと勘違いし、焦る観音崎だったが、

ちょうどその場に一郎が現れる。

冷静な一郎の発案によってルミを埋める準備を始めるのだった。

 

一方、こずえの家に招待されたハルナは、

二人きりで豪華な夕食を食べる。

一通り食べて吐き終わると、

こずえはハルナにそっとキスをする。

こずえはレズビアンだった。

そこに一郎から「ルミを埋める手伝い」として、

こずえとハルナに招集がかかり、

二人は河原へ向かうのだった。

 

観音崎と一郎が埋める準備をしている間に、

河原で倒れるルミは

ようやく目が覚め、起き上がる。

家に帰るが、元々仲の悪かった姉とケンカになり、

カッターで大きなケガを負わされるのだった。

 

同時刻、一郎に「プレゼント」を渡そうと、

電話を掛けたカンナであったが、

「外出中」であることを知る。

次に、ハルナの家に電話をし、

彼女も「外出中」であることがわかると、

ハルナの家に放火することを目論む。

しかし、放火に失敗したカンナは、

自分に火が付き、ビルから落ちて死んでしまう。

 

一郎、ハルナ、こずえ、観音崎の四人が

河原に集まるも、

ルミの姿が無くなっている。

 

パニックに陥り、欲情した観音崎は、

その場でハルナに抱き着き、セックスをするのだった。

「死体」が無いことがわかると、

一郎とこずえは歩き出す。

帰りにハルナの住むマンションでの

「焼死体」が発見された現場に遭遇し、

焼死体がカンナのものであるとわかると、

驚きながらも笑みを浮かべる一郎だった。

 

その後、「焼死体」の事件で、

引っ越すことになったハルナ、

オススメの本を、選別に渡しに来た一郎と

別れの言葉を交わす。

「ハルナさんは好きだから生きていてほしい」と、

言葉を交わし、微笑む一郎。

初めて女性に対して好意の言葉を放つのだった。

 

ネタバレ考察

高校生達の個性溢れる人間性と抱えた問題

本作の主人公は、

二階堂ふみ演じる「若草ハルナ」

そして、吉沢亮演じる「山田一郎」

この二人が

メインとなるような物語となるが、

それ以外に出演する数々のキャラクターも

強烈な個性を持っているのが本作の面白い点だろう。

 

高校生が活躍する「群青劇」において、

「個性」が引き立つ描写がしっかりと

マッチする面白さを感じることができる。

 

男女の性別の違いから性格、家庭環境以外にも、

LGBTにも取り組んだキャラクター設定が成され、

そんな物語のキャラクターが織り成す

作風は、より「邦画らしく」

感傷的に纏まった作品となった。

 

無邪気な若者達言動に感じる「闇」と「恐怖」

「邦画らしく」纏め上げられた作品として、

本作の土台にあった「キャラクター設定」であるが、

更に言及するならば、

ティーンエイジャー独特の

「怖いもの知らずさ」が、

描かれる作品となった。

 

「観音崎」や「小山ルミ」の抱えた

暴力やドラッグ、セックスといった、

直接的な恐怖を始め、対して描かれるは、

「死体を見て勇気を貰う」という発想や、

それを「宝物」とする精神力などの

間接的な恐怖だった。

 

あらゆるジャンルの「闇」や「恐怖」が

本作では入り込み、

そんな荒波に飲まれながらも懸命に

生きていく高校生達の姿が、

とても美しく映る作品だった。




キャストが完全にハマった作品だった。

前項で上げたような

個性的なキャラクター達、

彼らの独特なキャラクター

壊さないように、

今回キャスティングされた

役者たちであったが、

そのどれもが、しっかりと

ハマった作品となった。

 

「高校生らしく」も

どこか背伸びをするような

難しい役への挑戦となったが、

違和感を全く感じることなく、

皆が演じていた印象を受けた。

 

「二階堂ふみ」「SUMIRE」

美しすぎる容姿に、

「タバコ」「摂食障害」「セックス依存症」

などのギャップが、

より高校生独特の

危険な雰囲気を纏わせていた。

 

また、本作では、

本作では「土居志央梨」や「二階堂ふみ」の

ヌードが演出されるほどの作品である。

彼女達の役者としての一面を

感じ取れるような作品となるだろう。

 

ドキュメンタリーチックな作風

本作の映画、

メインの物語とは別のシーンで、

今作の主要となるキャラクター達が

「インタビュー」を受けているシーンがある。

 

各々、高校生らしく赤裸々に本音を語るようなシーンとなるが、

このインタビューシーンにより、

本作の「ドキュメンタリー感」

増すような構成となっているだろう。

 

そして、

ドキュメンタリー感が増すことの

もうひとつの仕掛け、

それが「よりリアルになる」ということである。

 

元来、ドキュメンタリーとは、

実際の出来事によって描かれる作風であり、

映画の中にこのインタビューを

組み込んだことによって、

よりリアルに生々しく

作品と向き合える演出となっている。

映画であって映画でないような試みこそが、

本作の特徴となっただろう。