【巨大宇宙船に閉じ込めらて90年…】映画「パッセンジャー」のネタバレ感想と考察

  • 2020年11月22日
  • 2020年11月23日
  • 映画
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パッセンジャー

2016年、

モルテン・ティルドゥム監督によって

制作されたSF映画。

宇宙船内で冷凍睡眠から目覚めてしまった

2人の男女を描く物語。

上映時間は116分。

あらすじ

宇宙への移住を目的として、

アヴァロン号に乗り込んだ5000人の乗客

長い船旅100年を超える長い船旅に備えて、

人間達は「冬眠ポッド」での

旅路を過ごすこととなる。

 

そんな中、アヴァロン号に無数の隕石が

降り注ぎ、

冬眠ポッドの故障により、

運悪く、一人の男性「ジム」

目覚めてしまうこととなる。

 

地球を立って30年、

目的の惑星まで90もの歳月がかかる中

目覚めてしまい、

この宇宙船の中で一生を過ごすことを

受け入れるしかないジムだった

 

ネタバレ感想と考察

これまで描かれたことのなかった心理描写

今作の脚本、SF作品に相応しい

壮大なスケールで描かれるが、

なんと「密室」の物語である。

 

映画において数々の「密室物語」が

ある中でも、

本作に関して言えば

「異例中の異例」であった。

 

「脱出することができない」という

大前提の中で、

自分の運命と向き合う心理描写は

とても新しいものだっただろう。

目的地まであと90年、という、

壮大すぎるスケールで描かれた「絶望」

SF作品ならではの世界観を

作り上げた作品だった。

 

キーワードは「生命」

一人ぼっちでも、巨大な宇宙船内、

衣食住に困ることなく、

娯楽も充実した施設で

過ごしていたジムだったが、

やはり欲したのは「人間」という

存在だった。

 

1年以上も一人で過ごし続け、

自殺すらも考え、

悩みに悩んだ彼だったが、

遂に「他の人間を起こす」という

禁忌を犯してしまう。

 

第三者から見れば「有り得ない」と

思われるような行動ではあるが、

ジムの感じた「絶望」は

本人のみぞ知るところであろう。

 

そんな「生きているもの」全てに

存在意義を感じ、

木を植える彼の行為そのものに、

今作の本質的なテーマが

盛り込まれた行動だったように見える。

 

かく言うこんな記事すらも、

読み手あっての記事である。

いくら娯楽があっても、

満たされない感情もあるだろう。




「サイコスリラー」でも面白かった!?

本作は「宇宙船内」での密室の物語、

同じ「密室」で繰り広げられる

物語と言えば、

脳内再生されたのは「シャイニング」

であった。

 

かくいうシャイニングも、

「雪山の豪邸」という密室での

サイコスリラー作品であるが、

本作の秀逸な脚本をモチーフにすると、

ジムが女性(オーロラ)を追いかけ回す

サイコスリラー作品でも

充分に面白かっただろう

 

サイコスリラーとは

ならなかったものの、

本作パッセンジャーでも

「人間の狂気」を感じるような演出は

織り込まれ、

鑑賞者に「想像」させ「絶望」

与えるようなシーンは多かった。

 

賛否両論あった、物語のラスト

本作が

映画情報サイトFilmarksにて、

3.6」という、

決して高いとは言えない

評価をされているのは、

その物語のラストにあるだろう。

 

オーロラを起こしたジムは、

彼女の人生を奪ったことについて

激しく責められ、

後悔の念を覚えることとなる。

 

しかしラスト、

宇宙船の修復が完了し、

冬眠ポッドが回復したにも関わらず、

オーロラは入らない

 

2人仲良くハッピーエンド…

というオチに面食らった鑑賞者も

少なくはないだろう。

 

いくら不安に駆られようと、

オーロラを起こしたジムの行為が

風化されることはないはずが、

物語のラストシーンで

一切語られることのない

「ジムの過ち」

違和感をおぼえることとなる

 

見方によっては

「ハッピーエンド」でない方が、

映画の伝えたかったテーマが伝わる

内容だったのかもしれない。