【夢と現実の狭間で生きる絵描き】映画「STAY」のネタバレ感想と考察

  • 2020年11月25日
  • 2020年11月27日
  • 映画
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「STAY」

2005年、マーク・フォースター監督によって制作されたアメリカ映画。

夢と現実の狭間を生きる美術学生と

その担当の精神科医の物語。

上映時間は101分。

あらすじ

とある精神科医「サム・フォスター」の元に、

ある日一人の患者が舞い込む。

彼の名は「ヘンリー・レサム」

美術学生として生活していたが

「未来の声が聴こえる」という

原因不明の症状と、

そのクセの強い性格から

数々の担当医師にたらい回しにされている

患者であった。

 

そんなある日、

ヘンリーはとうとうサムに

「土曜日に自殺をすること」

ほのめかす…。

ネタバレ感想と考察

「幻想の世界をどう表現するか?」がキモとなる作品。

夢と現実の狭間を描く

精神的描写の多い作品では、

「幻想をどう表現するか?」

とても重要となる演出である。

今作「STAY」での

「幻想」の描かれ方として、

まるで「絵の具を混ぜるような」

演出効果や、

溶け合うように移り変わるカメラワークが

多い作品となった。

 

とある「モノ」にズームアップし、

色みや形の似ている別のものに変わり、

シーンが変わる演出において、

本作は映画史に残るような回数の

演出を生み出したと言っていいだろう。

 

基本は「ヘンリー」の見る幻想、

そこから「サム」に幻想が移り変わり

無限ループに陥るような演出は、

「不気味」と言うよりも

狐につままれたような不思議な感覚に陥る

面白い作風だった。

 

まさかの「夢オチ」!?勇気ある物語のラスト。

一昔前、「夢オチ」という

オチとしてはベタベタすぎる物語

ネタとなっていた時代がある。

本作の公開は2005年、

そんな時代に乗り遅れたかのように

展開される、衝撃のラストこそ、

本作がヘンリーの「夢オチ」であった

ということだろう。

 

作り込まれた演出と、そんな演出による

物語の空気感、そして脚本、

全てを汲み取り本作を見てみると、

まさか「夢オチ」であるなんて

想像もつかないだろう。




また、皮肉にも、

現実世界でのサムとライラの関係を築いているのは

他でもない「ヘンリーの事故」であるかのような

描写で終わり、

鑑賞者たちの心にはモヤモヤが残る

終わりとなった。

 

勇気ある物語のラストに

今回は拍手を送っておこうと思うが、

本作では「夢オチ」を想起させるような

いくつもの「伏線」も貼ってあったのだ。

 

あなたは気がついた?数々の大胆な伏線。

「ヘンリーの夢の中」という、

パラレル空間で物語が進んでいくことを

前提として鑑賞してみると、

本作に隠されたいくつもの大胆な伏線が

貼られていることがわかってくる。

 

・サムのズボンの裾が短い。
 (交通事故後のヘンリーの視点)

・ヘンリーが21歳の誕生日であったことを
 噛み砕いた上で、
 サムとライラは21階に住み、
 ヘンリーとサムは21号室の前で口論する。

 また、ラストの救急車のナンバーも2121。

・オープニングのサムの部屋に
 ヘンリーの絵が飾られている。

・演劇を演じるアシーナの役柄、
 「ハムレット(Hamlet)」の綴りを文字ると
 「レサム(Letham)」となる。

・サムとライラの関係は
 ヘンリーとアシーナの関係の投影。
 サムがライラの薬を数えるほどに
 アシーナのことを想っているが、
 サムが「結婚指輪」をライラに
 渡せてないほどに
 ヘンリーとアシーナは親密でない関係。

数々の伏線を知って良さがわかる

作品だった故、

評価は賛否両論となっていたようだ。

有名実力派スターを使うが、「大成功」とは言い難い認知度。

今作の主演は、

あの「トレインスポッティング」でも

有名な「ユアン・マクレガー」

そしてカナダのイケメン俳優

「ライアン・ゴズリング」

ダブル主演作品となった。

大物実力派役者のオンパレード

公開された本作だったが、

話題になるほどの人気を見せることは

なかった。

 

脚本としては正直「地味」であり、

ラストまでの伏線の張り方が

鑑賞者を飽きさせる要因に

なっていたと考える。

「ラストまで観る前提」で、

初めて面白く感じる、

その作風は果たして吉だったのだろうか…。

人によって見解は異なるだろう。