「ダーク・センス」ネタバレ感想と考察【他人の痛みが自分の体に刻まれる物語】

  • 2021年4月17日
  • 2021年4月17日
  • 映画
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本記事は、映画「ダーク・センス」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

ダーク・センス

2019年、マグナス・ウェイク監督によって製作されたイギリスのスリラー作品である。

他人の痛みが自分の体に刻まれてしまうサイキック能力を持つ、一人の青年の物語。

上映時間は91分。

 

あらすじ

舞台はイギリス、エディンバラとある少年サイモンは、教会の神父を慕っていたが、目の前で殺されてしまう事件に遭遇する。

それをきっかけとしてか、「他人の痛みが自分の体に刻まれてしまうサイキック能力」身についてしまうこととなる。

そして、その能力は、とある一人の人物の犯行にリンクして増えていることがわかっていく…。

 

出演役者

本作の主人公、サイモンを演じるのが「シェイン・オメーラ」

アイルランドの俳優であるが、有名な作品には出演していない。

学園を舞台としたドラマ作品等で活躍しているようだ。

 

 

サイモンの相棒であるスティーブを演じるのが「ジョン・スタージョン」

本作品以外には一作品へのキャスティングしかされていない。

その一作品もかくしもタイトルが「ダーク・スクール」という作品である。

これは偶然だろうか…?

 

機密組織の捜査官、ソニアを演じるのが「マギー・ベイン」

日本で公開されている映画作品への出演はヒットしないながらも、アメリカでの映画やドラマ等の作品には出演しているようだ。

 

ネタバレあらすじ

ネタバレあらすじを読む
ピアノを弾く少年サイモンは、幼き頃から「特殊な能力」を持っていた。それは「未来を予知できること」

彼は大好きな神父が殺される未来をある日見てしまうことになり、防ごうと動くが結果、神父は殺されてしまうのだった。

それから14年の月日が流れ青年となったサイモンだったが、病気の母を介抱することを理由に勉学や仕事に就けない毎日が続いていた。

一見、普通の青年であるが、幼少の頃から「能力」は未だ続いていた。

彼は「自分が殺される予知夢」痛みと共にリアルタイムで感じてしまうこととなる。

サイモンは「どこかで殺人事件が起こる」確信し警察に赴くも、やっぱり取り合ってもらうことはできなかった。

そこでサイモンは昔から調べていた「神父殺害事件」のことを自分なりに纏め、捜査することを始めるのだった。

独自の捜査を続けながらも日常生活を続けるサイモンだったが、ある日「いつもの能力」によって壁に打ち付けられた際、そのショックで母親が死んでしまうこととなる。

サイモンは悲しみに明け暮れながらも、捜査に新たな風穴を見つけることとなる。

サイキック能力により「政府の機密回線」の電話番号を入手したサイモンは、捜査官の「ソニア」と電話で話すこととなる。

「なぜこの番号を知っているのか?」と、質問攻めにされるサイモンだったが、得意の予知能力を見せつけると、名乗りもせずに「スティーブ・ブレナスの証人保護」求めるのだった。

誰だかわからない人物「スティーブ・ブレナス」について、彼は離婚したての元SAS隊員であった。

熱くなると暴力を奮ってしまう性格から、家族と離れる決断をしたのだった。

借金に追われ、仕事も見つからない中、今度は彼の携帯に電話がかかってくる。相手はもちろんサイモン。

大金と引き換えに、スティーブを4日間のボディーガードに雇いたい取引の電話だった。

疑心暗鬼なスティーブであったが、今一番必要なお金の話に否応なく応じることとなる。

サイモンの「サイキック能力」について疑心暗鬼を貫くスティーブだったが、自身の境遇や思考を当てられていたことやサイモンの人間性を見て、だんだんと信じていくのだった。

一方で、機密組織側の人間からも、次々と未来を予測してくるサイモンの言動に注意しなくてらならない存在となっていた。

後日、ウワサを聞きつけた「サイキック能力」に関する研究をしている科学者からとある「テスト」をしたいと申し出がある。

これに応じたサイモンは見事ガラス容器に入った鉄の棒を手を触れずにねじ曲げ、能力の証明をするのだった。

しかし、実際には鉄の棒を「曲げていない」と語るサイモン。曲がっているように感じさせたトリックをスティーブに解説するのだった。

賞金を受け取り、計画を進める二人だったが、テスト時に居合わせたカメラマンの密告により遂に機密組織に捕まってしまうサイモンとスティーブ。

能力のことに関して色々と質問を受けるが一切答えないサイモンだった。

組織の上層部の人間とオンラインで会話するサイモン。国規模で起きる軍隊の事故の予言を上手く利用し、釈放されることに成功するのだった。

家に帰るサイモンとスティーブであったが、ひょんなことから喧嘩になり、1人になった隙にとある男に連れ去られてしまうサイモン。

スティーブと機密組織のソニアのサイモン捜索が始まるのだった。

二人はサイモンの残した資料などの情報から、犯人が「神父殺し」の犯人と同一人物であることを断定。

ソニアの独断により、機密組織の情報も使い、捜査を始めるのだった。

一方でサイモン、やはり犯人は「神父殺し」の人物だった。

妙な信仰を掲げるサイコパスな考えを持った彼は、神父の実の息子だった。

彼の行ってきた全ての犯罪行為の被害者の痛みはサイモンの「能力」としてサイモン自身に反映されているのだった。

場所はかつての事件の協会、中心に備えられた台座にサイモンを縛り付けると、生き血を飲み、殺そうと目論む犯人。
間一髪のところで、バイクに乗ったスティーブが犯人と格闘になる。

犯人自身も格闘経験があることもあり、スティーブは動けないほどの痛みを受けてしまう。

まさにサイモンが殺されようとしたその時、サイモンの「本物のサイキック能力」が発動する。

犯人を空高く浮遊させると、そのまま壁に打ちけ大きな圧力をかける。

今度は幻覚ではない。

バイクに取り付けられたカメラもその瞬間を丸ごと捉えていた。

カメラの映像を見て呆気に取られる機密組織の本部、見事に犯人逮捕に尽力した青年の立場を確立するのだった。

「サイキッカーの青年が凶悪犯を逮捕」

そんなニュースが世界中で溢れかえる。

NASAやFBIを初めとする組織や、メディアの対応に追われるサイモンとスティーブ。

そんな忙しさの中でも恋人に会いに行くサイモンを見て、微笑むスティーブとソニアだった。

ネタバレ感想と考察

近年あまり見られないアクション要素強めのサスペンス作品だった。

本作品のタイトル「ダーク・センス」

タイトルから見ても、サイコスリラー感の強い作風に見えがちではあるが、フタを開けてみるとビックリするほどのアクション作品だった。

これをどう評価するか?

陰鬱な雰囲気を好むサイコマニアな鑑賞者なのであれば、物足りなく感じてしまう人も多かっただろう。

一方で、そんなサイコ作品が好きではない鑑賞者にとっては、程よいサスペンス要素とアクション要素が相まって、気持ちよく鑑賞できる一本となっただろう。




評価は正直…微妙…。

有名映画サイト「Filmarks(フィルマークス)」では、本作の評価は「3.0」

正直言って…あまり良くはない。

そんな評価を裏付けるような脚本の甘さや中途半端感が一番の要因であろう。

なかなか定まらないサイモンの「能力」や、警戒心ガバガバの機密組織逮捕させれることの無い犯人挙げていくとキリがないくらいには思い当たる要素が出てきてしまう。

映画マニアの皆さんなら本作の評価が悪いものになってしまうのは必至であることと同時に、一方で「映画慣れ」していない皆さんには比較的キャッチーな「サイコ作品入門編」として、気軽に鑑賞できた一本となっていただろう。

侮るなかれ!「クラウドファンディング」で制作された作品。

「ツッコミ要素」がどうしても目立ってしまう本作ではあるが、他の映画よりは「制作費」の面で
充分に勝っている要素もあった。

本作は今話題の「クラウドファンディング」によって資金調達され、制作された作品なのだ。

そう考えると、寧ろいい出来なのではないだろうか?

所謂「低予算映画」に部類される作品であるはずなのに、そんな映画作品に見られがちな「密室」でのストーリーでないのが、本作の真骨頂だろう。

違和感を感じさせないCG、そして外を走り回るアクション要素、これが限られた予算の中で作られたことを噛み砕いた上で鑑賞すると、また違った本作の魅力が伝わってくるだろう。

ちなみに、同じく「クラウドファンディング」によって制作された低予算映画、「パスワード・家」は舞台も「密室」である作品だが、脚本が非常に面白い作品なので是非とも鑑賞してみてほしい。

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