「キャスト・アウェイ」ネタバレ感想と考察【やり手社長の無人島生活】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

キャスト・アウェイ

2000年、ロバート・ゼメキス監督によって公開された作品。

主演は「トム・ハンクス」で、

名画「フォレストガンプ」でのタッグが再び実現し、

話題となった作品である。

一人の男の無人島サバイバルの物語。

上映時間は144分。

 

あらすじ

世界を股にかける宅配会社「フェデックス」

敏腕システムエンジニア「チャック・ノーランド」

忙しい中でも、

最愛の恋人「ケリー」とのデートは忘れず、

彼の人生は幸せだった。

 

そんなある日、クリスマスデートの帰りに、

彼女にプロポーズの指輪をプレゼントする。

大晦日に会うことを約束し、

彼は飛行機で飛び立つのだった。

 

しかし、飛行機は嵐と乱気流に見舞われる。

そのまま墜落してしまった飛行機であったが、

救命胴衣によって命だけは助かるチャックだった。

 

翌朝、目が覚めると、とある島に漂流していた。

チャックの正真正銘の無人島生活が今、始まる…。

 

出演役者

主人公の「チャック・ノーランド」

演じるは「トム・ハンクス」

 

恋人の「ケリー・フレアーズ」を演じるのが

「ヘレン・ハント」

 

映画の殆どがトム・ハンクス一人のシーンのため、

今作のメインキャラクターは少ない。

 

見どころ「最強タッグ再び!儚くも爽やかな作品」

フォレストガンプで監督をしたロバート・ゼメキスと、

主演のトム・ハンクスが再びタッグを組んだ今作、

その内容は、「無人島サバイバル」を題材に描かれるも、

ヒューマンドラマとしても楽しめる作品に仕上がった。

 

今作で重きが置かれるのは、

冒頭でのケリーとの別れと再会

そして運送会社を経営するチャックを囲む、数々の荷物である。

 

世の中の些細な部分から感動を見出す作風に定評のある

ロバート・ゼメキス監督の真骨頂となる脚本だった。

サバイバル映画でありながら、

儚くも爽やかなその作風が今作の見どころだろう。

 

配信コンテンツ

「キャストアウェイ」は今現在、

Amazonプライム、U-NEXT、dTV、等で配信されている。

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U-NEXT

ネタバレあらすじ

世界を股にかける宅配会社「フェデックス」

敏腕システムエンジニア「チャック・ノーランド」

彼は「一秒たりとも無駄にしない」を、

己の信条として掲げていたが、

忙しい中でも、

最愛の恋人「ケリー」とのデートは忘れず、

幸せな日常を送っていた。

 

そんなある日、クリスマスデートの帰りに、

彼女にプロポーズの指輪をプレゼントする。

大晦日に会うことを約束し、

彼は飛行機で飛び立つのだった。

 

しかし、飛行機は嵐と乱気流に見舞われる。

そのまま墜落してしまった飛行機であったが、

救命胴衣によって命だけは助かるチャックだった。

翌朝、目が覚めると、とある島に漂流していた。

 

島には乗っていた飛行機の残骸や、

積んでいた荷物などが流れ着いていた。

とりあえず、砂浜に「SOS」のサインを書いてみる。

そこから数日間、

島内の探索や食料や水分を苦戦しながらも調達したりする。

島の断崖に上ってみるが食料は無かった。

その時、島の頂上から何かが浮いているのが見えた。

海岸に降りてみるとそれは

飛行機のパイロットの死体だった。

チャックは自前の墓を作り、

パイロットを埋葬したのだった。

 

その後、島からの脱出を試みるも

押し寄せる波が強すぎて歯が立たず、失敗に終わってしまう。

絶望に打ちひしがれながらも、

島で生きることを決めるのだった。

 

自分と共に島に流れ着いた、

運ぶはずだった荷物を開封してみるが、

中身は派手なドレス、スケートシューズ、

バレーボールなど、役に立つ物は入っていなかった。

ただ一つ、

天使の羽が描かれた箱だけは開けずにおくのだった。

 

食料や水分がいよいよ限界になったころ、

浜辺のカニなどを仕留めるが、

生で食べることができない。

 

火を起こそうと奮闘し

決死の努力で火を起こすことができるのだった。

そして、荷物だったバレーボールに名前を付ける。

血でボールに顔を描き、

ボールに書いてあったメーカー名をそのまま取り、

「ウィルソン」と名付けるのだった。




それから4年の月日が流れる。

チャックは一流のサバイバーになっていた。

水分や食料を調達し、

自分の寝床を作り上げ、生き延びていた。

 

ある日、目の前に仮設トイレの巨大な板が流れ着く。

これを見て閃いたチャックは数か月にも及ぶ計画を立てて、

「イカダ」を作り始める。

 

そしてとうとう「イカダ」を完成させる。

島を出発する際、岩にケリーへの愛を刻み込む。

そして彼は出発する。

今まで乗り越えることができなかった波は、

「季節の風」を読み、

仮設トイレの板を「帆」として利用し、

なんとか乗り越えることに成功する。

 

途中、長年連れ添ったバレーボールの「ウィルソン」を

失ってしまう。

何日も漂流するも、通りがかった船に助けられ、

4年ぶりに生還する。

 

「死んだ者」と思われていた世界では

チャックが生きていたことに盛大に喜ぶも、

愛を誓ったケリーは結婚し、

子供も産んでしまっていた。

 

彼はそんなケリーに別れを告げ、

一人で車で旅に出る。

向かった先は「天使の羽根が書かれた荷物」の

持ち主の元だった。

 

チャックは「ありがとう。あなたの荷物に救われた」

と言う書置きを残し、家を後にする。

 

その帰り道、道に迷っていると、

親切な女性が車を止め道案内をしてくれる。

彼女が走り去る際、

チャックは箱と同じ天使の羽が

車に描かれていることに気付く。

それを見ながら微笑むチャックだった。

 

ネタバレ考察

「時間の大切さ」がテーマとなった作品。

サバイバル映画でありながら、

それに似つかないような大きなテーマが

今作では掲げられている。

それは「時間の大切さ」だった。

 

作品の冒頭、荷物の運搬シーンから始まり、

チャックの熱弁から「スピード」を

意識しているキャラクターだということは

充分に伝わって来るだろう。

 

そんなチャックが4年間もの間、

人島での生活をすることに、

本作の重要なテーマが詰まっている作品なのだ。

 

結婚を考えたチャックは別れ際、

ケリーに対して

「結婚指輪」と思われるものをプレゼントする。

まんざらでもない彼女であったが、

この4年間という時間はとても長すぎた。

 

結果、冷めやらぬ愛に

後ろ髪を引かれながらも

彼女は結婚し、家庭を築いてしまう。

「時間」というテーマを掲げる作品として、

もう一つの重要なストーリーがこの部分にある。




「荷物」に救われた過酷なサバイバル

人が誰もいない無人島での4年間、

チャックの生活を支えたのは、以外にもその荷物だった。

バレーボールに「ウィルソン」という名前を付け、

芸術家の描く羽根のデザインに救われる。

孤独な4年間での精神的支柱を

「荷物」に見出すことが起きるのだ。

 

時に「人間が携わったもの」に

救われることは誰でもある。

「モノ」に依存した人間なら尚更だろう。

無人島という環境で、

頭がおかしくならなかったのは、

「モノ」に「人間との繋がり」を感じたことが大きかったのだ。

 

物語の最後、

チャックは「ありがとう。あなたの荷物に救われた」

という書き置きを残す。

この一言に感じる深みは

鑑賞者誰もが感じるものだろう。

 

サバイバルシーンではBGMが無かった

そして、勘のいい人なら

気がついたであろう演出がある。

今作の無人島でのシーンは

BGM無しの環境音のみで撮影されるシーンが多い。

この演出により、

無人島での孤独感をより強く感じることができた。

 

時計も壊れ、一日の流れもわからない環境の中で、

チャックの絶望を表現するのに、

今回の「環境音のみ」という演出は、

絶大な効果をもたらす演出だったのだ。

 

余談ではあるが、今作の撮影に向け、

トム・ハンクスは23キロの減量をし、

撮影に臨んでいる。

そんな彼の努力も

今作の「サバイバル」を描く演出に

大きく影響しているだろう。