「ブルーリベンジ」のネタバレ感想と考察【「普通の男」の泥臭い復讐物語】

  • 2021年3月12日
  • 2021年4月8日
  • 映画
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本記事は、映画「ブルーリベンジ」の

ネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、

注意して読み進めてください。

ブルー・リベンジ

2015年、ジェレミー・ソルニエ監督によって

製作された作品。

 

家族を殺された一人の男の

復讐の物語。

上映時間は90分。

 

あらすじ

舞台はアメリカ、

とある海沿いの街に住む

一人のホームレス、ドワイト

いつも通りの堕落した日々を送っていたある日、

警察に「話がある」と、連行されることとなる。

 

その話とは、

両親を殺害した男が「釈放」されたという

報告の話であった…。

 

出演役者

本作の主人公、ドワイトを演じるのが、

「メイコン・ブレア」

本作の物語は彼を中心に展開されていく。

内気で弱気であるが、

どこか信念を掲げた独特の雰囲気を持つ

ドワイトを見事に演じ切ってくれた。

 

本作では主演を務めつつも、

他の作品では「脚本家」や「監督」としての

も持つ俳優である。

本作の監督であるジェレミー・ソルニエとの

タッグ作品が多い。

 

ドワイトの友人であるベンを演じるのが

「デヴィン・ラトレイ」

「射撃」を趣味とし、

ドワイトの気持ちを深く理解する

キャラクターとして登場した。

 

あの「ホームアローン」シリーズにおいて、

主役である「ケビン」の兄として登場していた。

今現在では、映画作品や、

「スーパーナチュラル」などの

洋画ドラマ等にも出演している。

 

ドワイトが憎むウェイドの兄弟である、

テディを演じるのが、

「ケヴィン・コラック」

ドワイトに連れられ

トランクの中で旅を共にするが、

最後はベンに撃ち殺されてしまう。

本作のパッケージで倒れている死体は

恐らく彼だろう。

ブルーリベンジ以外の作品には

出演していない俳優である。

ネタバレ感想と考察

「復讐」をテーマに描かれた本作の「本質」

一生を「まとも」に生きるはずだったドワイト、

本作は、そんな彼が「復讐」に奔走する物語で、

スリラーを匂わせたアクション作品であるが、

物語の本質は「復讐」ではなかった。

 

終始オドオドしているような

気の弱い男性ドワイトであったが、

彼の心理描写や、行動原理からくみ取る

感情こそが本作最大の見どころと

なっていただろう。

 

ドワイトは誰かを手にかけるとき、

必ずと言っていいほど躊躇を見せ、

懺悔に気持ちを抱えて殺すことを

忘れなかった。

 

ドワイト自身が抱える

「復讐に対しての葛藤」こそが

本作の芯のテーマとなったのだ。

 

果たして「復讐はするべきなのか?」

それとも「しないほうがいいのか?」

明確な正解が導き出されないまま、

物語は幕を閉じることとなるが、

ドワイト自身は「後悔」すらも

明言しないままに死んでいくこととなる。




「一般男性」が躍動する斬新なアクション作品

本作は「復讐」を糧とした脚本であり、

さながらキアヌ・リーブスの「ジョン・ウィック」

思わせるような状況設定でもあるだろう。

 

バチバチのガンアクションが期待されるような

脚本であるが、

主人公のドワイトはもれなく「一般男性」である。

いや、寧ろ一般男性よりも「平和的」な男性かもしれない。

 

その慣れない動きやガンアクション、

行動の一つひとつが

とても斬新なアクション映画として機能していたのだ。

 

本作のドワイト、通常描かれるアクション作品の

筋骨隆々としたガテン系主人公の対を成す存在であり、

物語の序盤では、ボサボサの髪に

長年剃っていない髭を蓄え、

ワイルドなイメージを持っていたが、

姉であるサムに会う前に

身なりを整えるとまるで別人のように変貌する。

「優等生」のようなイメージを鑑賞者に与え、

そこからの「ギャップ」こそが

斬新な要素ともなっていた。

 

また、ドワイトの「復讐心」の強さも

読み取れる展開となり、

終始モタモタ感が感じられる、

リアリティ溢れるアクションシーンが

描かれていたのも本作の衝撃の一つだろう。

 

復讐に発起したはいいものの

「銃の買い方」から躓き、

憎きウェイド(実際は違ったが…)を

ナイフで殺害したり、

タイヤを切るときにケガをしてしまったり、

ボウガンの矢の処置に困ったり、

ありとあらゆるシーンに

「不慣れ」である描写が盛り込まれていた。

 

そんな「一般男性」の彼であったが、

物語のラストでは、

全てを悟った上で銃撃戦を繰り広げる、

彼の「信念の強さ」が垣間見えるシーンもあった。

本作の核となる、「無限ループ」について

両親を殺されたことから

復讐心を持ち、

「復讐」を果たしたことから

姉の身を案じるという

「自業自得」を演じる主人公であったが、

ドワイトの懸念したストーリーの

本筋は常に変わらなかった。

 

「やられたらやりかえす」という、

ヤクザの抗争にも似た行動原理が

一般家庭の間で展開されていくストーリーこそが、

本作の脚本の核であったのだ。

 

ドワイト自身、

こうなっていくことはわかっていた。

自身の犠牲はいとわないにしても、

姉であるサムや

その家族に危険が及ぶことを

全力で避けようとし、

トランクで拉致した

ウェイドの兄弟であるテディに対して、

「目的は誰であるか?」を執拗に

問いただしていた描写からも、

周りは巻き込まないと動いていたことが

わかるだろう。

 

物語の終盤、

ドワイトは電話にて、

「二人ずつやられのでこれで終わりにしよう」

伝言を残し、

その反応を見ることで、行動を変えるつもりだった。

 

結果、「復讐」に動こうとした家族たちを見て、

躊躇のない発砲に至ったが、

最後の最後まで、

まだ年も満たない青年である

ウェイドの家族には逃げる道を残していた。

 

「家族同士の抗争」という無限ループ

終わらせるための、

彼の「心中」の決意は

とても固いものだったことがわかるだろう。

 

事実、ウェイドの家族である青年は、

車に向かう際に

手に持っていた銃を捨てている。

ドワイトの想いが青年に

通じた結果であると考えられるシーンでもあった。