「激流」のネタバレ感想と考察【華の1990年代が誇るディザスターパニック!!】

  • 2021年6月11日
  • 映画
  • 105view

本記事は、映画「激流」のネタバレを含んだ感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

激流

1994年、カーティス・ハンソン監督によって製作された作品。

激流の中の川下りを描いたパニックホラー作品。

上映時間は112分。

 

あらすじ

舞台はアメリカ、ハートマン家は息子のロークの誕生日の記念に、家族でアウトドアキャンプに出かけようとしていた。

母のゲイルは一家4人とペットのマギーと一緒の旅行に期待を抱いていたが、仕事に追われるトムは旅行に出かけることができなかった。

アウトドアの現地で準備をしていると、なんとトムが仕事を持ちこんで会場で合流する。

現地で出会ったウェイドとテリーと共に、川下りへ乗り出すのだった…。

出演役者

本作の主人公、母のゲイルを演じるのが「メリル・ストリープ」

更新不可能とされていた、あの「キャサリン・ヘプバーン」が樹立した「アカデミー賞ノミネート記録」を23年ぶりに塗り替えるなど、映画界において数々の記録を樹立した大女優。

本作はそんな彼女が若かりし頃の映画である。

 

ゲイルの夫であるトムを演じるのが「デヴィッド・ストラザーン

1980年より、数々の作品に出演しているベテラン俳優の一人。

グッドナイト&グッドラック」などでアカデミー賞にノミネートされるなど、実力も折り紙付きである。

 

本作のキーマンとなる、ウェイドを演じるのが「ケヴィン・ベーコン

「フットルース」「アポロ13」「ダイナー」「インビジブル」などの名画に出演し、本作「激流」への出演で、ゴールデングローブ賞にもノミネートされたハリウッドスターとなった俳優。

端役であるが「13日の金曜日」にも出演している。

 

ゲイルとトムの息子であるロークを演じるのが、「ジョゼフ・マゼロ

当時の有名子役として数々の映画に引っ張りだことなった子役であり、あの「ジュラシックパーク」にも子役として参戦している。

ネタバレ感想と考察

1990年代の災害パニックを120%楽しむ!

本作の映画、所謂(いわゆる)「ディザスター作品」というジャンルであり、映画好きには馴染み深い「自然災害」をモチーフに描かれたパニック作品である。

1990年代の当時であれば、火山の災害を描いた「ボルケーノ」や、それ以外でもSFに切り込んだパニック作品である「インデペンデンスデイ」「アルマゲドン」「ディープインパクト」など、名だたるパニック映画がこの1990年代に発信された。

(あの「タイタニック」も1997年の作品であり、「パニック映画」としての一面も強い。)

まさに「ディザスターパニック」のブームとも言ってもいい最中、本作の映画は公開されたが、本作で描かれるのはなんと「川下り」であり、数々の作品が現実世界と剝離した描写がされる中、本作で描かれた題材は人間が生活する中で一番身近なものが題材となっている作品だっただろう。

「なんかしょぼい…」

当時の映画を見ていた人々なら、このインパクトに欠ける題材に若干の火力の足りなさを感じてしまいがちなテーマとなったが、内容を一見してみると、一番現実に近しい描写が多く、主人公たちの葛藤や焦燥もリアルに伝わる作品に仕上がっていたのではないかと思う。

1990年代の災害パニックホラー作品の一つとして、脚本、演出、アクションの要素でも十二分に戦える作品だろう。

コテコテのパニック映画、是非とも「日本語訳」で楽しんでほしい。




ロックすぎる!!主人公のキャラクター性と名だたる俳優の数々

本映画の一番の見せ場と言えば、死の危険もあるとされる「ガントレット」と呼ばれる川を下るシーンであるが、その期待を裏切ることなく、3~5mはあるであろう激流をゴムボート一隻で下るシーンがあった。

映画の一番の見せ場がこのシーンとなっていたが、犯罪者に捕らわれたこの環境下で、「楽しんで」川下りをしている主人公ゲイルの姿が印象的だった。

主人公のゲイルは、若き頃にこの「ガントレット」にも果敢に挑むほどの命知らずであり、これを制したというキャラクター設定であったが、生粋の「カヌー乗り」としてのキャラクターとして違った見え方がされる要素こそが、本作の面白い点だった。

また、主人公のゲイルを演じる女優は、今ではハリウッドの大御所とも言ってもいいほどのベテラン女優である「メリル・ストリープ」が演じ、彼女が映画においてアクティブに動き回る映画は非常に珍しい作品となっていた。

(普段は母親や物静かな女性としてのキャスティングが多かった。)

その他のキャラクターも、今でもハリウッドの第一線で活躍する役者ばかりであるが、中でも最初は「味方」のように振る舞い、だんだんと本性を現してくるウェイドを演じた「ケヴィン・ベーコン」の演技も見事で、本作最重要となるサイコパスキャラとして迫真の演技を見せてくれたベーコンは、本作で「ゴールデングローブ賞」にノミネートされるまでの演技を見せてくれた。

また、息子であるロークを演じた「ジョゼフ・マゼロ」も子役として人気であったが、今現在もハリウッドの第一線で活躍し、「G.I.ジョー」シリーズや、日本で旋風を巻き起こした「ボヘミアン・ラプソディ」にも出演している。

 

そしてこれだけは言わせてほしい、犬の「マギー」は可愛すぎる。

ラブラドールレトリーバーのマギー、犬は「嬉しい」と尻尾を振るが、マギーはいかなるシーンにおいても尻尾ブリブリである…。

「自然災害」と「犯罪」二種類のプロットで構成される映画。

本作の映画において、一番他の映画と違っていた部分であるが、間違いなくこの要素となっている。

それは「二種類のプロットで描かれるパニック映画」であることだ。

「激流の川下り」そして「犯罪者の人質」という二種類のパニック要素がうまく絡み合った脚本となっていたが、その不安定な組み合わせの中に、ある意味で「安心感」を与えてくれるベタベタなパニック映画の脚本が違和感なく、馴染んでいることが何よりも凄い。

そもそもの「起」として「なぜ川下りをするのか?」を問われたときに、作品としての矛盾が生じてしまいがちなテーマではあるが、「犯罪に巻き込まれて、余儀なくすることとなった」という、ぶっとんだ脚本によって、微塵の違和感も感じさせない脚本となっていた。

今となっては、こんな脚本を書ける脚本家も少なくなってきただろう。

あえて現代風にするのであれば、「陽キャの大学生がバカンスで、ナメた格好でカヌーに臨む」という脚本が関の山だと考える…。

本作の名演技が光った二人の役者、「メリル・ストリープ」と「ケヴィン・ベーコン」、二人の演技の高い評価の裏側には、そんな脚本の土台があるからなのかもしれない。