「デッド・オア・リベンジ」ネタバレ感想と考察【地雷を踏んで動けなくなった男の救出劇】

  • 2021年9月13日
  • 映画
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本記事は、映画「デッド・オア・リベンジ」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

デッド・オア・リベンジ

2015年、レヴァン・バキア監督によって制作された作品。

その名の通り「リベンジ」を中心とした人間模様を描く物語。

上映時間は105分。

 

あらすじ

舞台はジョージア、仲良し三人組でキャンプを趣味とするダニエル、アリシア、クリスが本日もキャンプを楽しんでいた。

恋人同士のダニエルとアリシアが仲を深める中、クリスがなんと「地雷」を踏んで身動きが取れなくなってしまう…。

出演役者

本作の主演の一人、ダニエルを演じるのが「ディーン・ガイヤー」

 

アリシアを演じるのが「スペンサー・ロック」

なんと彼女、バイオハザードシリーズにも出演する名女優であった。

 

クリスを演じるのが「スターリング・ナイト」

 

途中で登場する狩人、イリアを演じるのが「コート・トロルダヴァ」

ネタバレ感想と考察

二つの「リベンジ」を描いた斬新な作品。

本映画のプロット、「地雷を踏んで動けなくなった若者」という言い方をすれば、それは限りなく「ワンシュチュエーシスリラー」の映画を想像してしまう。

棺桶の中に閉じ込められたり、岩に手を挟まれたり、極限状態の中で人間がもがく姿は、いつでも映画界に旋風を巻き起こしてきた。

しかし今回の映画、「地雷を踏む」という極限状態を脚本としながら、二部構成となっていることが今までに見たことがない要素となっていた。

前半パートで描かれるのが、三角関係からのもつれから生じる「地雷からの脱出劇そして後半パートで描かれたのが「変態オヤジへの復讐劇」となっていた。

本映画のタイトルにも「リベンジ」と入っているだけあり、この前後半パートに二つの「リベンジ」が含まれている構成がとても面白かった。

前半で描かれるのは「浮気した男への、婚約者からのリベンジ」

後半で描かれるのが「友達(好きな女性)をレイプ殺人された男のリベンジ」である。

本作ではあくまでも「復讐劇」というプロットで二種類の物語が展開されていくが、全く色の違う二種類の脚本を一本の映画に纏めた作品で、1987年にスタンリー・キューブリック監督によって制作された「フルメタル・ジャケット」がある。

こちらも前半パートの「訓練時代」そして後半の「戦争」の二種類にわけられる造りとなっていた。

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「もどかしさ」と「勧善懲悪」

この作品を観た人なのであれば、まず初めに抱くであろう感情、それが「もどかしい」である。

前半パートで地雷を踏んだクリスは、アリシアが奴隷のような扱いを受け、レイプされ、殺されるまでも黙って立っているしかない。

鑑賞者の目線からはどうしても「〜すればいいのに…」と、もどかしい気持ちにもなってしまったのではないだろうか?

この部分に関しては「映画は映画」と割り切るとして、真のテーマは後半に隠されている。

後半で描かれるのが、アリシアをレイプ殺人されたクリスの復讐。

クリスは、イリアがアリシアにした仕打ちをそのままイリアの娘にすることとなる。

この構図、まさに「勧善懲悪」の構図そのままとなっている。

実際、映画サイト「Firmarks(フィルマークス)」のレビューコメントでは、「胸糞悪い」等のコメントに紛れ、「スッキリした」などのコメントも散見されることから、そう言う感想を持つ人がいることは間違いないだろう。

「胸糞映画」として名高い本作ではあるが、後半パートでは実にスッキリとさせてくれる仕掛けが用意されているのも、本作の特徴となっていた。

しかし、人によってはこれが「やりすぎ」と感じる人も多い。

それもそのはず、罪なき娘を銃殺してしまうことにこそ、本作のダークな部分が詰まっているからだ…。




「胸糞悪さ」の真の要因…

GoogleなどのWebサイトでこの映画を検索してみると、実に多くの「胸糞映画」としての評価が出てくる。

もちろん前半パートの胸糞悪さもさることながら、ラストシーンの「イリアの娘の銃殺すること」にこそ、映画の根本が詰まっている。

ロシアンルーレットによって娘を殺してしまうクリスであるが、その後の反応が完全に「予測していなかった」反応なのだ。

「まさか本当に当たるとは思わなかった…」表情の全てがそれを物語っている。

そしてそれに関連してくるのがクリスの「若さ故の過ち」である。

元々の引き金はアリシアとクリスの浮気が原因であり、その他のあらゆるシーンでも、クリスの若さが伝わってくるような描写は多かった。

中でもダニエルとアリシアの「結婚」を仲人を蹴るシーンは「もっと大人になれよ…」と鑑賞者の誰もが感じてしまっただろう…。笑

また、この映画では「全員がクズである」という、最高にブッ飛んだキャラクター設定も組まれている。

クリスはアリシアと不倫し、その上でイリアの家族を巻き込み、娘を射殺する。

アリシアはダニエルと結婚を前提に付き合いながらも、クリスと浮気する。

ダニエルはクリスとアリシアの浮気に腹を立て、「地雷の上に誘導する」という嘘をつくやりすぎとも取れる復讐。

そして言うまでもなく、イリアもレイプ殺人をするクズ野郎だった…。

物語中の誰もが過ちを犯し、そして「リベンジ」されていく構図はもはや「皮肉」にすら感じてしまう。

それでもやっぱり…詰めが甘い映画…。

最後に本作に対しての少し辛口な意見も書いておこう。

本映画のプロットとしてはとても面白いものであるが、やはり「脚本の詰め込みすぎ感」は否めないだろう。

映画の上映時間は105分…。

二時間も無い上映時間の中で、全く色の違う物語を順番に展開していく構成は少し勿体ないと感じた。

同じ「復讐」であり、繋がった脚本ではあっても、不思議と「無関係感」を感じてしまう…この感覚は一体…?

そしてツッコミ所の多さもそうだ。

冒頭で出てきたダニエルは、映画の序盤で「ビールもストリップ」を求めて消え去ってから一切の登場が無い。

むしろクリスからの「リベンジ」がダニエルに行われるまでがセットであってほしかった…。

言い出せばキリは無いが、本作を「B級」と枠組みするならば、大変な良作であるとも言える。

実は本映画、「低予算映画」としての一面も持ち合わせていて、「ワンシュチュエーション映画」の脚本力の高さをまざまざと見せつけてくれた作品だった。