本記事は、映画「ラスベガスをぶっつぶせ」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。
鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。
「ラスベガスをぶっつぶせ」
2008年、ロバート・ルケティック監督によって制作されたアメリカ映画。
マサチューセッツ工科大学に進学する青年がラスベガスのカジノで荒稼ぎする物語。
上映時間は122分。
あらすじ
舞台はアメリカ、マサチューセッツ工科大学に進学する青年「ベン」は「数学の天才」と謳われながらも、貧困のために高い授業料に苦しんでいた。
頼みの奨学金も通らず、打ちひしがれたベンであったが、そんな彼の前に現れたのは、同じ数学科に属する学生たちだった。
そしてベンは、ラスベガスのカジノを「数学」で攻略する計画を持ちかけられる…。
出演役者
本作の主人公「ベン・キャンベル」を演じるのが、「ジム・スタージェス」
ラスベガスのカジノでのガード「コール」を演じるのが、「ローレンス・フィッシュバーン」
「マトリックス」シリーズや「運び屋」などのアクション作品に多数出演する有名俳優。
本作のヒロイン「ジル」を演じるのが、「ケイト・ボスワース」
計画の発案者である「ローザ教授」を演じるのが、「ケヴィン・スペイシー」
アメリカの数々の映画、ドラマ等で活躍する俳優であり、「セブン」「ユージュアル・サスペクツ」などのサスペンス作品や「スーパーマン」シリーズなどのアクション作品にも出演している。
配信コンテンツ
今現在「ラスベガスをぶっつぶせ」は、Netflix、U-NEXT、等で配信されている。
ネタバレ感想と考察
そもそもブラックジャックとはどんなゲーム?
映画が始まり、当たり前かのように「ブラックジャック」が展開されていく本作ではあるが、実はゲームに関しての説明が一切無い。
ブラックジャックはラスベガスのカジノでも、「ディーラー」よりも「プレイヤー」が有利となる数少ないゲームであると作中では語られており、「ディーラーVSプレイヤー」の形式も特徴的な点だ。
ルールは簡単で、2枚のトランプ札を合わせて「21」に近い方が勝ちという単純なルールであり、ルールを知っている人も多いだろう。
今回の映画では、これを「数学」の観点から攻略していくこととなる。
ちなみに本作の原題は、「ブラックジャック」のルールに基づき、「21」が原題となっている。
勝てる「からくり」について。
映画ではあまり詳しい方法が言及されていなかった勝つための手段についてであるが、キモとなってくるのが「カウント」という手法である。
その名の通りカードをカウントしていく行為であり、その数字から統計的に自分が引きそうなカードを予想する技である。
作中で登場する「+6」や「+14」といった数字は、カードの種類によって、-1、0、+1と、加減された数字の合計である。
数字が多ければ多いほど○○が出る確率が少ない〜や、数学が少ないほど○○が出る確率が高い!などの考え方となる。
筆者個人の見解で言うなら、やっていることは麻雀の捨牌を読む行為に近いだろうと思う。
以下に「カウンティング」について詳細的に記述されている記事のリンクを置いておく。
数学や統計が好きな人であればきっと楽しい記事になるだろう。
https://vegasdocs.com/blackjack/counting.html
実話に基づく映画…実際は映画よりもエグい!?
本作品の最重要項目としている要素がこれ。
本作が「実話に基づいた物語」であることだ。
今回の映画のモデルとなったのが、「ジェフ・マー」というアジア系の学生であった。
そして、そのチームメイトも全員アジア系の学生であったことから、映画の際に全てが「白人」に置き換わっていたことに不満の声もあったようだ…。
そんなジェフは現実に500万ドル(6600万円)もの大金をブラックジャックで稼いだと言われている。
映画ではその報復としてガードマンのコールにリンチされる悲惨なシーンがあるが、実際には厳重注意の出禁になる程度で済んでいるのがまた驚きだ…。
映画では監視カメラによって、数度来店したベンを捕まえるあらすじとなっているが、これも事実では監視専門の業者によって、5年間もの歳月を経てジェフまでたどり着いた。
映画よりも事実の方が荒稼ぎしていたとは…。
ちなみにこの事件以降、ラスベガスのカジノ側では毎年MIT新入生の顔写真を入手するようになった。
運営側もかなり頭を悩ませ、その苦悩には同情さえしてしまいそうになる…。