「FALL/フォール」ネタバレ感想と考察【地上600mの鉄塔に取り残された女の子…】

  • 2024年6月11日
  • 映画
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本記事は、映画「FALL/フォール」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

「FALL/フォール」

2023年、スコット・マン監督によって作られた作品。

塔の上に取り残されるシチュエーションスリラー映画。

上映時間は106分。

あらすじ

舞台はアメリカ、夫のダン、友達のハンターとクライミングを楽しんでいたベッキーであったが、滑落によりダンを失ってしまう…。

1年間近く悲しみに暮れたベッキーであったが、ハンターに励まされ廃墟となった「B67テレビ塔」に上り、そこからダンの遺灰を撒くことで、悲しみを断ち切ることを提案される。

かくして2人は、人生一番のチャレンジへと挑む…。

出演役者

本作の主人公ベッキーを演じるのが「グレイス・カリー」

 

友達のハンターを演じるのが「バージニア・ガードナー」

配信コンテンツ

「FALL/フォール」は今現在、Amazonプライム、Netflix、U-NEXT、等で配信されている。

Amazonプライム

Netflix

U-NEXT

ネタバレ感想と考察

ありそうで無かった…究極のシチュエーションスリラー!?

これまでに散々描かれたシチュエーションスリラー作品であるが、このタイプはありそうでなかったのでは無いだろうか?

周りは砂漠、高さ600mの塔の上に二人取り残される…。

手に汗握る映画作品としては最上級の出来と言ってもいい。

なぜこれまでこの手の映画が作られなかったのだろうか?と考えてみたが、やはり一番はそれを実現できるCG技術が要因だと個人的には思っている。

今回の作品はドローンの空撮やCGを用いて、限りなくリアルに再現された作品で、2024年の今でこそ映えるシチュエーションとなっていたのかもしれない。

限りなくA級に近い…B級映画!!

昨今のシチュエーションスリラー作品では、物語のメインストーリーに加え、主人公達に各々の人間ドラマが添えられているパターンが多い。

今作も例外なく、主人公であるベッキーの夫であるダンの死や運命を共にするハンターとの確執など、ストーリーはしっかりと構成されている。

しかし、これらのストーリーはシチュエーションスリラーに落とし込むと、「かなり浅くなってしまう」と思っているのが筆者個人の見解だ。

リアルであればどれだけ誘われても「登らない」だろう。

アクション要素でも生きたハゲワシを食したり、現実では到底考えられない行動が伺える…。

揺れるハシゴや緩むボルトは、さながら「ファイナルデッドコースター」シリーズを思い出すようなB級感が描かれ、それが良くも悪くも手に汗握る展開を演出してくれている。

そして、シチュエーション映画史上、最大の「からくり」に着手したのもこの作品なのだ。

まさかの演出…シチュエーションスリラーでこの裏切り…!!

映画の中盤まで、主人公に寄り添う中心人物の一人となったのが、このハンターという女性である。

映画の後半まで彼女の存在は、ベッキーの傍らにあるが、なんとそれは「ベッキーの生み出した幻覚」だったのが面白い。

彼女は物語の中盤で死亡しているのだ。

よくよく思い返してみれば、物語中盤以降のハンターの動きは伏線としても機能している。

自分の方が上手いはずのドローンの操縦を全てベッキーに任せたり、口数も極端に少なくなる…。

そしてベッキーは、ハンターが居なくなり、ハゲワシに食べられる夢を見る…。

実はダンの死に対しても、彼が死亡している夢を見るシーンもある。

「ベッキーの見る悪い夢」が、全て現実であったことのミーニングとしても効いているのだ。

物語はフィクション…じゃないの…??

もちろん、今回の物語は完全フィクションとなっていて、「B67テレビ塔」は存在しない。

しかし、モデルとなった塔は実在している。

アメリカのノースダコタ州にある「KVLY-TV塔」という塔で、高さはなんと628.8mにもなる。

映画の塔が600mちょうど、という計算なら、それを上回る高さということになる…。

そして、このKVLY塔にも、不法侵入して登る人々も存在している…。

2005年には、落ちて重症を負う事件すらも発生しているのだ。

今回の映画を作った監督はスコット・マン監督と脚本家であるジョナサン・フランクが共同で作った作品であり、このタッグはスタントアクション作品のプロコンビでもある。

そんな彼らの織り成す世界観が、より一層作品にリアリティに拍車をかけているのかもしれない。