「完全なるチェックメイト」
2014年、原案、脚本を共に手掛ける「スティーヴン・ナイト」、
監督「エドワード・ズウィック」により世に放たれた伝記映画。
実在したチェスの世界チャンピオン、「ボビー・フィッシャー」の人生を描く作品である。
上映時間は115分。
あらすじ
1943年、アメリカ合衆国シカゴにおいて誕生した「ボビー・フィッシャー」は幼少期に
姉に教えてもらったチェスの虜となる。
15歳で、世界最年少記録のグランドマスターとなり、当時の世界チャンピオン、
ソ連の「ボリス・スパスキー」への挑戦者となるが、時代は冷戦下の1972年。
米国のボビーがソ連の世界チャンピオン、ボリスに挑むという構図が成り立ち、
試合は東西冷戦における代理戦争とみなされた…。
出演役者
今作の主人公、「ボビー・フィッシャー」を演じるのは、
「スパイダーマン」シリーズでも主人公を務めている、「トビー・マグワイア」
そして宿敵、ロシアの「ボリス・スパスキー 」を演じるのは「リーヴ・シュレイバー」である。
見どころ①「ドラマのような魅せる試合、実話とは思えないストーリー。」
「チェス」を題材に作られた今作は、「ボビー・フィッシャー」の人生をそのまま描いた作品である。
彼は、現代のチェス界でも語られる天才的な試合、戦い方を今までに魅せ、
映画にするにふさわしい、ドラマのような試合を今まで数多く繰り広げてきた。
その試合内容から、天才と謳われたことや、クセの強いその性格すらも細かく再現されている。
そして世界チャンピオン、ソ連の「ボリス・スパスキー 」と対峙する時代背景。
米国とソ連の「冷戦」に時代にその試合は行われ、東西冷戦における「代理戦争」
とまで謳われたその試合は、実話とは思えない状況下での試合であり、
ボビーの人生をそのまま描いても一本の映画として成り立ってしまう彼の生き様に、
まずは盛大に拍手を送りたい。
見どころ②「「神の一手」チェスの戦いの一手一手のワンシーンへのこだわり」
今作は彼の人生そのものが描かれるストーリーだが、
やはり注目すべきシーンはチェスの試合のシーンだろう。
精神面での影響もあり、試合を放棄し、引退してしまうシーン、
世界チャンピオンと対峙し、勝てることができずもがき苦しむシーンを経て、
いよいよ世界チャンピオンのボルスと対峙し、静寂の中、
「神の一手」と謳われた一手を放つ、その10秒ほどのシーン。
このシーンを撮るために、2時間近くの映画の構成に力を入れているといっても過言ではない。
独特の緊張感が渦巻くそんなチェスの試合全般を通してうまく再現できている作品と考えていいだろう。
配信コンテンツ
そんな「完全なるチェックメイト」は今現在、
Amazonプライム、U-NEXT、等で配信されている。
「ボビー・フィッシャー」
こんな彼が、現役で活躍していた時代に生きることができなかったのが、今でも悔やまれる。