ネタバレなしの映画紹介「ニュー・シネマパラダイス」

「ニュー・シネマパラダイス」

1988年ジュゼッペ・トルナトーレ監督により制作されたイタリア映画。
中年を迎えた映画監督が、若き日の青春を振り返るドラマ映画。
上映時間は124分。

今作は本来の「劇場公開版」以外に、
その後のストーリーを含めて描いた「完全版」も存在する。
こちらの上映時間は170分。

あらすじ

ローマに住む映画監督「サルヴァトーレ」はある日、シチリア島の故郷の母親からの電話で、
師匠である映画技師「アルフレード」が亡くなったことを伝えられる。

ローマに旅立ち早30年。
映画監督として成功したサルヴァトーレは、
アルフレードの葬儀に出席するために30年ぶりに故郷、シチリア島の大地を踏む。

そこでサルヴァトーレは、幼少頃の記憶を振り返る…

出演役者

今作の主人公、
「サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ」は、
「少年期」「青年期」「中年期」と、3人の役者により演じられる。

少年期は「サルヴァトーレ・カシオ」

 

青年期は「マルコ・レオナルディ」

 

中年期は「ジャック・ペラン」

 

アルフレードを演じるのが、「フィリップ・ノワレ」である。

見どころ①「秀逸した構成で伝わる、「映画」というものの素晴らしさ」

今作の「ニューシネマパラダイス」
感動要素の多い、一見ありがちなヒューマンドラマにみえるが、
その中心には「映画の素晴らしさ」というもうひとつの題材が眠る。

そんな映画の魅力に取り憑かれた少年の青春を描く今作では、今では考えられない
フィルム映画の映画技師が存在している。

一人の少年の成長ストーリーを描く中、その少年は「映画技師」を志すことになり、ストーリーの中心にはいつでもフィルム映画があった。

 

「映画監督」としてデビューした主人公サルヴァトーレが、師匠の死を受けた時、
故郷に帰った時、何を思うのかが本作最大の見どころであるだろう。

また作中には歴代の名画の名シーンが上映される箇所がいくつも出てくる。

そんな名画たちへのリスペクトも感じられる作品となっている。

 

見どころ②「映画で感じる、「映画」の本来の楽しみ方」

主人公サルヴァトーレの故郷はシチリア島。
そんな島での成長を描く物語であるが、
娯楽の少ないシチリア島では「映画鑑賞」が国民の大きな楽しみとなっていた。

教会を映画館として貸し出す神父、
そこで技師として働くアルフレード、
お金を落とすお客さん達、
住民全員が一丸となり映画を守っていく姿が描かれ、それを観て覚える感覚は、
現代では感じることのできない感覚だろう。

 

そして何より、ニューシネマパラダイスの住民は楽しそうに映画を鑑賞する。
黙ってただスクリーンを観るだけの「現代の映画」では感じることのできない楽しさもそこにはある。

「ニューシネマパラダイス」の作中の登場人物以上に映画を楽しそうに鑑賞する人は、
ぼくは見たことがない。

 

見どころ③「2種類の楽しみ方と有名すぎる主題歌」

上映時間124分の「劇場公開版」
170分の「完全版」

これは、物語の構成が異なる2種類の映画として楽しめる。

劇場公開版ではサルヴァトーレの過去を中心に物語が展開されるが、
完全版では現代の中年となったサルヴァトーレが物語の中心となる。

全く違う構成の2種類の「ニューシネマパラダイス」なので、
別物の映画としての楽しみ方ができるだろう。

 

そして映画を盛り上げる「音楽」
有名すぎる主題歌は「エンリオ・モリコーネ」が作曲した「Cinema Paradiso」

今では、各国のBGMTVCMで使われるこの曲も、
「ニューシネマパラダイス」の雰囲気を作り上げるのに欠かせない存在である。

配信コンテンツ

そんな「ニューシネマパラダイス」は今現在、
AmazonプライムNetflix、等で配信されている。

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ニューシネマパラダイスを観てわかる「映画の楽しみ方」
本作を観れば、皆さんもこれからもっと映画を楽しめるようになると確信している。