「イヴの時間」
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、
“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」
2008年に15分のアニメ、全6話がインターネット上で公開され、
2010年にそれをまとめた映画が劇場版公開される。
制作は「スタジオ六花」と吉浦康裕監督が手がけた。
人間とアンドロイドが共生する未来の物語。
上映時間は106分。
あらすじ
舞台は近未来の日本。
人間の身の回りの家事や世話をアンドロイドが行う時代、
高校生の「リクオ」は一つの疑問を抱えていた。
家で所有するハウスロイド「サミィ」の行動履歴がおかしい。
ロボット三原則 第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。 ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。 第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、 自己をまもらなければならない。
こんなプログラミングがロボットに組まれる昨今に、
買い物帰り、どこかに寄り道をしてから帰宅しているサミィを不思議に思い、
その場所に行ってみることに。
サミィが向かった場所は喫茶店「イヴの時間」だった。
入店すると目の前の看板には、衝撃の文字が書かれていた。
「当店内では、人間とロボットの区別をしません。」
出演キャラクター
「向坂リクオ」(cv.福山潤)
主人公。ハウスロイド「サミィ」の主でもある。
「サミィ」(cv. 田中理恵)
向坂家で所有するハウスロイド。
「真崎マサカズ」(cv.野島健児)
リクオのクラスメイトであり一番の友達。
「ナギ」(cv.佐藤利奈)
「イヴの時間」の店長。
見どころ①「主人公は一人じゃない、登場人物それぞれのストーリー」
喫茶店内で掲げる「当店内では、人間とロボットの区別をしません。」というルール。
これにより、店内のお客は全員が分け隔てなく接する。
人間とアンドロイドが抱えるそれぞれの悩み、それぞれの想いが、
この喫茶店では壁を感じることなく伝えられる。
人間特有の心理描写を切り取るのが非常に上手い作品である。
全6話中、主人公が中心となる話は1話だけであり、
登場人物一人ひとりのストーリーが展開されるのが、この映画の見どころであるだろう。
見どころ②「人間とロボットの違いを無くす、徹底された空間」
この世界でのアンドロイドは、人間との違いがわかるように、
稼働中は頭上にリングが表示されるようになっている。
イヴの時間のルールはロボットと人間を区別しないことであるが、
入店するとアンドロイドの頭上リングが消えるという設定がある。
この「人間かアンドロイドかわからない」空間で、主人公リクオは困惑し、
物語の渦中に巻き込まれていく。
この設定が映画「イヴの時間」の核となる部分であり、
よく練られた脚本であることを実感する一番のポイントだろう。
数あるアンドロイドモノの映画やアニメの中でも、独自の路線を進む作品であるだろう。
配信コンテンツ
そんな「イヴの時間」は今現在、
Amazonプライム、Netflix、等で配信されている。
日本でも今なお評価されつづけるSF映画。
一度観てみてはいかがだろうか。