「プライベート・ライアン」ネタバレ感想と考察【トップオブ戦争映画】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

プライベート・ライアン

1998年、スティーヴン・スピルバーグ監督によって制作された戦争映画。

世界を代表する戦争映画の代名詞で、

アカデミー賞では11部門にノミネートされた。

第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦を描いた作品。

上映時間は170分。

 

あらすじ

時は第二次世界大戦中、

「ノルマンディー上陸作戦」を遂行するため、

フランスのコタンタン半島に攻め込んだアメリカ軍。

激しい戦火に見舞われつつも、

作戦を成功させるのだった。

 

そんな最中、アメリカ陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルの元に、

ある兵士の戦死報告が届く。

それはライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。

残る末子「ジェームズ・ライアン」も、

ノルマンディー上陸作戦の前日に行なわれた

空挺降下の際に敵地で行方不明になったという報告が入り、

マーシャルはジェームズ・ライアンを保護して

本国に帰還させるように命令する。

 

この指令を任されたのは、

今回の上陸作戦でも活躍した「ミラー大尉」だった。

敵の戦地のど真ん中、

星の数ほど居る兵士の中から

「ジェームズ・ライアン」を見つけ出す、

ミラー大尉率いる精鋭6名の旅が始まる。

 

出演役者

今作の主役「ミラー大尉」を演じるのが

「トム・ハンクス」

 

ミラー大尉の右腕的存在、

「マイケル・ホーヴァス」を演じるのが

「トム・サイズモア」

 

精鋭チームの頼れる狙撃手「ダニエル・ジャクソン」

を演じるのが「バリー・ペッパー」

 

衛生兵の「アーウィン・ウェイド」を演じるのが、

「ジョヴァンニ・リビシ」

 

通訳として引き抜かれた情報処理隊員

「ティモシー・E・アパム」を演じるのが、

「ジェレミー・デイビス」

 

その他3名の仲間がチームに加わる。

 

今回の中心人物「ジェームズ・フランシス・ライアン」を演じるのが

「マット・デイモン」である。

 

 

見どころ「世界に響く名作、キングオブ戦争映画」

映画のジャンルの一つとして確立された

「戦争映画」というジャンルであるが、

これのトップに君臨する作品こそ

今作の「プライベート・ライアン」だろう。

 

監督は言わずと知れた名監督、

「スティーヴン・スピルバーグ」

主演が世界的名優「トム・ハンクス」

アカデミー賞でも11部門にノミネートされた今作は、

興行面でも全世界で大きな成功を収めた。

 

「戦争映画」というジャンルだけでなく、

「映画」というカテゴリーでもかなりの名作である今作、

脚本、キャスティング、演技、演出、撮影技術、

その全てが映画史に残るレベルの水準で制作された。

 

よって、本作の見どころは「全て」である。

配信コンテンツ

「プライベート・ライアン」は今現在、

Amazonプライム、NETFLIX、U-NEXT、dTV、等で視聴できる。

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ネタバレあらすじ

お墓の前にとある老人が立っていた。

時は遡る。

 

時は第二次世界大戦中、

「ノルマンディー上陸作戦」を遂行するため、

フランスのコタンタン半島に攻め込んだアメリカ軍。

激しい戦火に見舞われつつも、

作戦を成功させるのだった。

 

そんな最中、アメリカ陸軍参謀総長ジョージ・マーシャルの元に、

ある兵士の戦死報告が届く。

それはライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。

残る末子「ジェームズ・ライアン」も、

ノルマンディー上陸作戦の前日に行なわれた

空挺降下の際に敵地で行方不明になったという報告が入り、

マーシャルはジェームズ・ライアンを保護して

本国に帰還させるように命令する。

 

この指令を任されたのは、

今回の上陸作戦でも活躍した「ミラー大尉」だった。

敵の戦地のど真ん中、

星の数ほど居る兵士の中から

「ジェームズ・ライアン」を見つけ出す、

ミラー大尉率いる精鋭6名の旅が始まる。

 

一行はまず、ライアンが居ると思われる

フランス内部へと進行していく。

村内では、ドイツ軍と交戦中の仲間と遭遇する。

戦闘中、メンバーの一人であった「カパーゾ」

敵兵に狙撃され、息絶えてしまう。

戦闘が終息した後、

ミラーは探し求めているライアンと

同じ部隊にいた兵士から情報を聞き出し、

目的のライアンが所属する部隊が第101空挺師団であることを知る。

 

空挺師団の集結地点に到着したミラーたちは、

回収された戦死者の認識票を調べたり、

周囲の将兵たちに聞き込みを行う。

聞き込みの中で、ライアンの知り合いを見つけ、

ライアンが混成部隊に加わり前線の橋を守っていることがわかる。

 

ミラーたちは前線に向かうが、その途中、

ドイツ軍と交戦し、制圧するが、

ウェイド衛生兵が戦死する。

彼の死に憤慨したライベンは

生き残っていたドイツ兵を殺そうとするが、

ミラーの計らいによってドイツ兵を解放する。

 

前線の橋に近付いたミラーたちは、

ついに探し求めていたライアンを発見する。

ミラーはライアンに帰還するように命令するが、

彼は「戦場の兄弟を見捨てて帰れない」と命令を拒否する。

ミラー達は何としてもライアンを生かして連れて帰るため、

橋の防衛を賭けたドイツ軍との交戦に踏み切る。




戦車を用いたドイツ軍に苦戦し、

メリッシュや、ジャクソンホーヴァスらが次々に戦死する。

最後の最後までライアンを守り通そうとしたミラーだったが、

 

負傷して身動きが取れなくなる。

その時、空からアメリカ軍の空爆隊が応援に駆け付け、

これに怯んだドイツ軍は撤退することとなる。

ライアンは無事に生還するが、

負傷していたミラーは亡くなってしまうのだった。

 

時は流れ、現代。

老人となったライアンは

家族を連れてミラーの墓を訪れる。

彼とその部下たちに感謝の言葉を伝えた後、

墓に向かって敬礼をするのだった。

ネタバレ考察

冒頭の20分、映画史の歴史に残る戦闘シーン

冒頭からの約20分間、オマハ・ビーチでの

「ノルマンディー上陸作戦」を描いたシーン。

今作の作品を初めて観た人は、

まずこのシーンに衝撃を受けるだろう。

 

一言で言うならば「悲惨であること。」

爆弾によって手足が吹き飛んだり、

内臓が飛び出たり、顔面が原型をとどめていなかったり、

最後には海が「血」で赤く染まっている。

 

物語の本筋でない場面で「戦争」というものの悲惨さを

ここまで伝えている作品は、今まで描かれたことが無かったのだ。

20分という戦闘に使う尺と、

生々しくリアルな戦闘負傷者の現実、

家族の名前を叫ぶ兵隊、この悲惨さに耐え切れず、

ここで観るのをやめてしまった人も多数いるだろう。

それでも観てほしい。

映画史に名を残す名シーンは今でも語り継がれる。

 

徹底された演技指導と過酷な撮影環境

今回の作品は、

約3時間にもおよぶ長編映画にも関わらず、

わずか60日間という、

ハリウッド映画としては驚異的なスピードで

クランクアップを迎えた作品だった。

 

キャストの演技指導の面では、

リアルな演技をするために元海兵隊大尉協力の下、

ブートキャンプ同等の訓練を10日間受けさせられてからの

撮影となった。

その内容は、教官がいきなり役者に向かって空砲を発砲したり、

当時の兵士達と同じ装備を背負って延々と行軍するといった厳しいものであった。

 

そして、そのブートキャンプではライアン役を演じる「マット・デイモン」

あえて参加させられなかった。

作中では、

「ライアンに犠牲を払い助ける価値があるのか?」

という疑問を見出したメンバーが、

苦言を呈すシーンが数多く出てくるが、

全ては「ライアン(マッド・デイモン)が疎まれる状況」を作り出すためだった。

 

事実、役者陣の間でもマッドとの間に軋轢が生まれ、

それが演技にリアルに影響したシーンとなった。




なぜライアンという一兵士を帰国させたのか?

予備知識なしで今作を鑑賞すると、

誰にでも、ある一つの疑問が出てくる。

それは、

「なぜ一兵士であるライアンを帰国させたのか?」

ということである。

 

これには戦争におけるルールである、

「ソール・サバイバー・ポリシー」

というルールが原因であった。

ソール・サバイバー・ポリシー

軍隊の規定の一つで、
家族が兄弟などで従軍している場合に全員を失わないよう、
一人生き残った者を戦線から強制的に離脱させるというもの。

アメリカで実際に起こった、
兄弟が全員戦争で亡くなるという悲惨な出来事によって
規定が作られた。

 

さらに、モデルとなった実際の物語もある。

ナイランド兄弟

第二次世界大戦で戦ったフレデリック・ナイランド三等軍曹、
彼には三人の兄がいたが、
戦う中で、部隊の牧師から兄全員が戦死したと告げられた。

ソール・サバイバー・ポリシーに基づいて
フレデリックは前線から引き抜かれ、
本国に送還されることとなった。 

これらの実話に基づき制作された脚本、

この「ソール・サバイバー・ポリシー」によって、

ライアンの生還は果たされた。