「ロケットマン」ネタバレ感想と考察【エルトン・ジョンの半生を描く】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

ロケットマン

2019年、デクスター・フレッチャー監督によって制作された

伝記ミュージカル映画。

実在しているアーティスト「エルトン・ジョン」の半生を描く作品。

上映時間は121分。

 

あらすじ

舞台はイギリス、ロンドン。

郊外に生まれた「レジナルド」という少年が居た。

彼は愛のない家庭に生まれ育つが、

音楽に関して天才的な才能を持っていた。

 

今も尚、生き続ける「エルトン・ジョン」の、

半生が語られる….。

 

出演役者

今作の主人公、「エルトン・ジョン」を演じるのが、

「タロン・エガートン」

 

エルトンの相棒である作詞家「バーニー・トーピン」を演じるのが、

「 ジェイミー・ベル」

 

エルトンのマネージャーである「ジョン・リード」を演じるのが、

「リチャード・マッデン」

 

見どころ「狙うは『ボヘミアンラプソディ』、決して引けを取らない作品の仕上がり」

QUEENのフレディマーキュリーを描いた伝記映画、

「ボヘミアンラプソディ」はまだ皆の記憶に新しいが、

今作もそれと全く同じジャンルの作品である。

 

今回、題材としてピックアップされたアーティストは、

イギリスのミュージシャン「エルトン・ジョン」であった。

 

今作の公開にあたり、

いわゆるパクりのような印象は誰もが持ってしまいがちだが、

そんな不安が一瞬で消えるほどにクオリティの高い作品となった。

 

この作品を観れば、あなたは確実に、

近日中にTUTAYAで「エルトン・ジョン」のCDを手に取るだろう。

 

配信コンテンツ

「ロケットマン」は今現在、

Amazonプライム、U-NEXT、等で配信されている。

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ネタバレあらすじ

舞台はイギリス、ロンドン。

このロンドンに郊外に生まれた、一人の少年が居た。

その名は「レジナルド・ケネス・ドワイト」

彼は固い父親と自由奔放な母親の間で、

愛のない家庭に生まれ育つ。

 

レジナルドは「一度耳にした音楽を一瞬でコピーする」という

音楽に関して天才的な才能を持っていた。

4歳でピアノを習わされ始めるレジナルドの

音楽人生の始まりだった。

 

音楽の名門である「王立音楽院」に入学し、

音楽を志す最中、両親が離婚してしまうことになる。

母親は、すぐに別の男性「フレッド」を連れてくるが、

彼は生粋の「ロックンローラー」だった。

そこからレジナルドは「クラシック」から「ロックンロール」

道へと幅を広げ始めるのだった。

 

青年となったレジナルドは、バンド活動を続ける中で、

自身の名前を「エルトン・ジョン」と名乗ることを決め、

一人の「作詞家」と出会うこととなる。

彼は「バーニー・トーピン」と言い、

すぐに意気投合し、二人での曲作り生活が始まる。

 

エルトンの実家にて二人で居候生活をしていたが、

そこで二人は「僕の歌は君の歌」という楽曲を作成する。

これが認められ渡米し、ハリウッドで、

「エルトン・ジョン」としての痛烈なデビューを飾るのだった。




アメリカでの生活を送る中で、彼は一人のマネージャーと出会う。

彼の名は「ジョン・リード」エルトンもジョンも同性愛者という中で、

ジョンとの愛を育みながらも酒やクスリに溺れながらも、

ヒット曲を連発し、スターダムへとのし上がる。

 

イギリス、アメリカと、各国での講演の毎日を送る中で、

「買い物依存症」としての症状を発症しながらも、

今までの事務所ではなく、マネージャーとしてのジョンと

生き続けていくことを選ぶのだった。

 

TVにも出演するようになり、

派手な衣装、派手なパフォーマンスで「エルトン・ジョン」としての、

地位を確立していく中で、

彼は「同性愛者であること」を正式発表し、母親にも打ち明けるが、

それが受け入れられることは難しかった。

 

家も大豪邸となり、恋人であるジョンと一緒に暮らしていたが、

ジョンが自身の秘書と「浮気」していることを知り、ショックを受ける。

豪邸のパーティで、服薬自殺を図るが、失敗に終わるエルトンだった。

 

自身でも墜落の一途を辿っていることを自覚しつつ、

「孤独」を感じるエルトンであったが、

音楽プロデューサーであるドイツ人女性「レナーテ」と結婚するも、

ゲイとしてのエルトンを捨てることができず、すぐに離婚してしまう。

 

「買い物依存症」「アルコール依存症」「薬物中毒」に溺れ、

孤独を感じるエルトンは、

ついに依存症克服のために、厚生施設への入居を決断する。

 

想像の中、施設のカウンセリングルームで、

これまで出会った人々と話し合い、

子供のころの自分にそっとハグをする。

 

施設での生活が続く中、

見舞いに来てくれたかつての相棒バーニーに、

「この歌詞に曲をつけてくれ」と、詞を渡される。

これを受けてエルトンは、施設のピアノで彼はまた音楽に打ち込み始める。

再起の一歩を踏み出していくのだった。

 

エルトンの「 I’m Still Standing」のMVが展開される中、

その後のエルトンの人生が語られ、映画の幕を閉じる。

・買い物依存症は治っていないが、
 今現在もエルトンは、28年間の禁酒を成功させ続けている。

・数々の友人や知人を「エイズ」で無くしていく中で、
 「エルトン・ジョン・エイズ基金」を設立する。

・作詞家のバーニーとは共作を続け、
 50年間ケンカしていない。

ネタバレ考察

ミュージカル作品としてのクオリティの高さ

今作のジャンルは記憶に新しい「ボヘミアンラプソディ」のような、

「伝記ミュージカル映画」に分類される。

ミュージカルが作中に盛り込まれた作品は数多くあるが、

そんな今作はミュージカルシーンに

より力を入れている作品となるだろう。

 

元々題材としている、エルトン・ジョンの楽曲の雰囲気

キャラクター、パフォーマンス、そして配役

全てが作品を盛り上げる演出効果として、

ミュージカルに寄り添うように設定されているのである。




エルトン・ジョンの波乱万丈な人生

エルトン・ジョンは1970年代にブレイクし、

そこから数々の名曲を作り上げたアーティストの一人である。

そんな彼の持つカリスマ性、そして生い立ちこそが、

今作のフィクション無き脚本の全てであり、

これだけで映画として成り立ってしまう

見どころでもあるだろう。

 

今回のミュージカルシーンにて、エルトンを知らない人でも、

聞いたことがある楽曲があった人も多いのではないだろうか?

 

彼はその天才的な音楽性を持ちながらも、

「買い物依存症」「アルコール依存症」

「薬物依存症」「過食症」と、

数々の病気と闘っていた。

 

今作の物語の冒頭でグループセッションシーンから

映画が始まることになるのが、

これをリアルに感じさせてくれる

演出の一つでもあっただろう。

 

また今作では「同性愛者」など、

当時では理解されないことも多かった

社会的な問題にも関係性を持っていたのだ。

 

隠されたテーマである「孤独」との関係性

今作では、明るいミュージカルの陰に隠れて、

長年の相棒、恋人であるマネージャー、

女性との離婚、母親の愛情不足など、

「孤独」という隠れたテーマを抱えた作品だった。

 

 

エルトン自身の楽曲に関しても、

明るさの中に潜んだ哀愁を感じる曲調や歌詞が多く、

それを彼の年表に沿って、シチュエーションに合った楽曲を

ピックアップし、歌い上げる。

 

今作の「ミュージカル映画」としての

クオリティの高さを感じさせる演出であり、

今作でのエルトン自身の抱えていた「悩み」にも、

スポットライトを当てた作品であっただろう。