【真実を求める不眠症男】映画「マシニスト」のネタバレあらすじと考察

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

マシニスト

2004年、ブラッド・アンダーソン監督によって制作された、

サスペンス作品。

不眠症に悩まされる機械工、トレバーの物語。

上映時間は102分。

 

あらすじ

町の機械工として勤める「トレバー」は、

なんと1年間もの間、不眠症に悩まされていた。

痩せ衰えた彼は、それでも毎日仕事に出かけ、

日に日に衰えていった。

 

ある日トレバーは溶接工のアイバンに気をとられ、

事故をおこして同僚に大怪我を負わせてしまう…。

 

出演役者

今作の主人公「トレバー」を演じるのは、

「クリスチャン・ベール」

 

トレバーの通う娼婦である「スティービー」を演じる、

「ジェニファー・ジェイソン・リー」

 

会社の仲間の「アイバン」を演じるのが、

「ジョン・シャリアン」

 

見どころ「不安に駆られながらも見進めてしまう、真のサスペンス作品」

今作の映画、102分間の映画であるが、

全編を通して、かなり暗い。

 

設定としては、

主人公であるトレバーの真相究明物語であり、

物語の進行につれて解明していくが、

終始不安感が付きまとっている。

 

そんな不安を抱えながらも、

作品を見進めてしまう不思議な魅力こそが、

本作の見どころである。

 

配信コンテンツ

「マシニスト」は今現在、

Amazonプライム、U-NEXT、等で配信されている。

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ネタバレあらすじ

町の機械工として勤める「トレバー」は、

なんと1年間もの間、不眠症に悩まされていた。

痩せ衰えた彼は、それでも毎日仕事に出かけ、

日に日に衰えていった。

そんなトレバーであったが、

最近では娼婦である「スティービー」との営みが、

唯一の楽しみとなっていた。

 

更にトレバーは、行きつけの空港のカフェにおいて、

恋心を寄せる「マリア」という女性が居た。

彼女と雑談するために、いつもカフェに赴いては、

多めのチップを渡すのだった。

 

彼の勤務している工場において、

彼は真面目ではあったが、そのノリの悪さから、

仲間や上司からは嫌われている立ち位置となっていた。

 

ある日、車の車内で一服していると、

「アイバン」という男と出会う。

彼は仕事場では見かけたことが無かったが、

職場の仲間である「レイノルズ」が警察に捕まり、

その代わりに働いると述べるアリバンだった。

 

ある日トレバーは溶接工として働くアイバンに気をとられ、

事故をおこして同僚に大怪我を負わせてしまう…。

アイバンに事の真相を伝えるも、

「おまえ自身のせいだ」と、一蹴されてしまうトレバーだった。

 

今回の災害での再発防止会議でトレバーは事の真相を話すが、

その回答は「アイバンという従業員はいない」という回答だった。

捕まったと思われたレイノルズもいつも通り業務に励んでいた。

 

不思議に思ったトレバーは、

アイバンの正体を確かめようと接触をするが、

いつもうまくかわされてしまった。

 

トレバーは「自身のやることをメモに残す」というクセがあったが、

ある日冷蔵庫には、見覚えのないメモが張られていたのだった。

メモの内容は「○○○○ER」で終わる単語、

これを「MOTHER(母親)」と判断するトレバーだった。

 

その後、マリアからデートに誘われ、

マリアの子供の「ニコラス」と、

三人で遊園地で遊んだり、

二人でワインを飲んだりと、日ごろの鬱憤を晴らす。

 

仕事場では、

トレバー自身の不注意によって、

大ケガをさせてしまった「ミラー」が、

ケガにより退職することになるが、

去り際に無事に和解することができた。

安心して仕事に励もうとするトレバーだったが、

自身の腕が切断される寸前までの危険なヒヤリ災害を経験してしまう。

 

疑心暗鬼に陥ったトレバーは、

工場の全員が自分を陥れようとしていると錯覚し、

発狂状態になり、ついには「クビ」となってしまう。




クビになっても尚、冷蔵庫のメモは消えることが無かった。

トレバーはメモを、今度は「MIRROR(ミラー)」と読み解き、

ミラーの自宅へ向う。

道中でアイバンも目撃するが、

ミラーに相手にされることもなく、アイバンにも逃げられてしまう。

 

アイバンの車のナンバーを控えたトレバーは、

警察にナンバーを調べてもらうために、

「ひき逃げ」の捏造を行うため、自ら車に轢かれる。

 

自身のひき逃げの犯人として記憶したアイバンのナンバーを伝えるが、

なんと1年前に自身が交通事故で廃車にした車のナンバーだとわかった。

 

途方に暮れ、事故でケガだらけの体を引きずり、

頼る相手がスティービーしかいなくなったトレバーは、

彼女の家に転がり込み、安心する。

安心に身を委ねたその時、

彼女の枕元に「アイバンが写った写真」を発見してしまう。

彼女は「トレバーが忘れていったものだ」と語るも、

一向に聞き入れず、彼女とも喧嘩別れしてしまう。

 

すぐさま、マリアに会うために、空港のカフェを訪れるも、

その場所では、マリアの存在自体が無いものとなっていた。

 

当てもなくなったトレバーが車内で項垂れていると、

目の前にアイバンの乗った車が通りすぎる。

そしてアイバンが向かった先は「スティービーの家」だった。

しかし、助手席から降りてきたのは、

なんとマリアの息子である「ニコラス」であった。

 

動揺を隠せないトレバーであったが、

後をつけ、家の中に入る。

何も重要なことを喋らず、

ひたすらに笑みを浮かべるアイバンであったが、

そんな彼に逆上し、アイバンを殺害してしまうトレバー。

 

海へ向かい、アイバンの遺体を海に放り投げるが、

その時、後ろから人に声を掛けられる。

声をかけてきたのは他でもないアイバンだった。

いつの間にか、アイバンの死体は消えている、

放心状態で家に帰ったトレバーは、

そこで全てを思い出す。

 

「ひき逃げをしたのはトレバー自身だった」

 

轢いた相手は「ニコラス」という子供、

そして母親がマリアだった。

 

メモの答えがやっとわかる。

答えは「KILLER(人殺し)」

 

警察に行き「ひき逃げをしました」と自首するトレバー。

これまでの不眠症が嘘であったかのように、

トレバーは獄中で死んだように眠る。

 

ネタバレ考察

数々のジャンルが混ざり合い、確立された雰囲気。

100人中100人が「暗い」と答える今作だが

作中には「ハラハラ感」という、

鬱映画には似合わないような要素が組み込まれていた。

・確実に裏があるであろう「アイバン」という人物の登場

・ホラー映画を思わせるような冷蔵庫

・サスペンス映画を感じさせるメモ帳

・スプラッター映画のような災害シーン

そんな色々な、

「映画で描かれるシチュエーション」が混ざり合い、

雰囲気が作り上げられている作品だった。

 

これを決して明るい方向であったり、

過激な方向に持っていかないような作品の作り方は

とても面白かった。

 

鬱×伏線回収という二つのテーマ

鬱要素を存分に含みながらも

今作ではあらゆる伏線が張られ、

それを回収していく形が取られた。

 

伏線回収モノでありながら、

今作のどの部分に「暗さ」を感じているのか、

よくよく考えてみたが、

その正体は主人公「トレバー」の焦燥であると感じたのだ。

 

一見、性格的には、まともそうなトレバーであったが、

彼の内に眠る「狂気」が見え隠れしている描写も、

後半に進むにつれて多くなる。

 

そんなトレバーの「焦燥」を叩きつけられた鑑賞者も、

トレバーと同じ目線で真相究明をしていく作風であり、

今作を鑑賞するにあたって、

リアリティ溢れる暗さを体感することができた

大きな要因だろう。




ダークな雰囲気作りに影響したあらゆる仕掛け

今作を通して鑑賞し、

改めて気が付いたことは、

「明るさや華やかさが全くない」ということだった。

 

遊園地のシーンでさえ華やかさを微塵も感じることが無く、

常にダークで不思議な空気感を纏った作品だっただろう。

 

その空気感の正体は、

「映像の明度や彩度」によるところが大きかった。

まるでトイカメラを用いたような明度や彩度の映像

最初から最後まで使われていたのだ。

 

そんな青青しい映像の中、

トレバーの車だけが真っ赤な色彩を放っていたことも、

不気味さを引き出すような演出だっただろう。

 

しかし、

今作の不気味さがにじみ出ていたのは、

「演出」だけではない。

 

30キロのダイエット、「トレバー」という役作り。

そんな今作の中でも、

最も不気味だったのが何といっても

トレバーの体だろう。

 

まるで骸骨のような彼の肉体だが、

そんな肉体が映画の冒頭で流れることによって、

映画の序盤で鑑賞者の目には、

強烈な不気味感が植え付けられる。

 

肋骨がくっきりと浮き出るほどの影。

決して筋肉質ではないはずなのに、

シックスパックに割れた腹筋。

まるで薬物中毒者のような、

その姿の衝撃は計り知れない。

 

今作の主演である「クリスチャン・ベール」は、

この体を作り上げるために、

30キロ近く体重を落とし、

その数字は「54.4キロ」にまで及んだ。

ちなみに彼の身長は182㎝であり、

182㎝の成人男性の平均体重は73キロ。

 

作中に出てくる「54キロ」は実際のベールの体重である。

 

また、今作のために彼は、

4ヶ月の間、毎日りんご1つとツナ缶1つで過ごし、

45キロまで落とそうとしたが、

彼の健康を憂慮した周りにより止められた。