「ディープ・インパクト」ネタバレ感想と考察【彗星落下で地球滅亡】

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

ディープ・インパクト

1998年、ミミ・レダー監督により制作された

アメリカ映画。

製作総指揮として

「スティーヴン・スピルバーグ」を迎え、制作された。

彗星が落下する地球を描いたパニック映画である。

上映時間は120分。

 

あらすじ

天文部に属する高校生「リオ・ビーダーマン」は、

天体観測中に彗星を発見する。

その情報を天文台のウルフ博士に伝えるが、

計算してみると、軌道は地球に向かっていた。

衝突を危惧したウルフは急いで情報を伝えようとするも、

運転中に事故で亡くなってしまう。

 

1年後、アメリカホワイトハウスでは、

大統領のスキャンダル記事が流れていた。

「エリー」という女性との不倫スキャンダルを模索した

キャスターの「ジェニー・ラーナー」

大統領に詰め寄るも、

「エリー」の本当の意味を知ることとなる…。

 

出演役者

彗星の第一発見者「リオ・ビーダーマン」

演じるのが「イライジャ・ウッド」

 

テレビ局のキャスターである「ジェニー・ラーナー」

演じる「ティア・レオーニ」

 

アメリカ大統領「トム・ベック」を演じるのが

「モーガン・フリーマン」

 

ベテラン宇宙飛行士

「スパージョン・“フィッシュ”・タナー」を演じる

「ロバート・デュヴァル」

 

見どころ「パニックでない部分にもスポットを当てた脚本」

パニック映画と聞くと、

災害、そして逃げまどう人々、焦燥、混乱、

それらが入り混じり、主人公たちの脱出劇が描かれる

作品が多いが、

今作では、災害以外の部分に注力した作品だった。

 

「彗星落下」という、

人力ではどうすることもできない世界において、

「政府のこれからの対応」や、

「残された時間をどう生きるか」など、

そんな状況下での心理描写が描かれていたのだ。

 

今作の最大の見どころは、

いかにして災害を食い止めるか?ではなく、

数々の人々の生き方そのものが見どころとなるだろう。

 

配信コンテンツ

「ディープ・インパクト」は今現代

Amazonプライム、NETFLIX、Hulu、dTV、等で配信している。

Amazonプライム

ネタバレあらすじ

天文部に属する高校生「リオ・ビーダーマン」は、

天体観測中に彗星を発見する。

その情報を天文台のウルフ博士に伝えるが、

計算してみると、軌道は地球に向かっていた。

衝突を危惧したウルフは急いで情報を伝えようとするも、

運転中に事故で亡くなってしまう。

 

1年後、アメリカホワイトハウスでは、

大統領のスキャンダル記事が流れていた。

「エリー」という女性との不倫スキャンダルを模索した

キャスターの「ジェニー・ラーナー」

大統領に詰め寄るも、

「エリー」の本当の意味を知ることとなる…。

それは「ELE(Extinction-Level Event,)」

つまり「地球の滅亡」だった。

 

大統領に詰め寄った二週間後、

大統領から全世界に「彗星落下」が発信される。

この落下を食い止めるべく、

6名の宇宙飛行士が招集され、

計画の実行を言い渡された。

 

その計画とは、

彗星内部に核爆弾を埋め込み、起爆し、

地球に向かう軌道をずらすことだった。

宇宙飛行士チームの名前は「メサイア(救世主)」となった。

 

彗星落下まで三週間まで迫った日に

シャトルは打ち上げられた。

すぐさま計画を実行に移す宇宙飛行士たち。

キャスターであるジェニーは、

この計画の生中継キャスターとして抜擢されていたのだった。

 

彗星に到着した飛行士たちは

地面に核爆弾を埋め込もうとするが、

浅い地層にしか埋め込むことができなかった。

爆弾を爆破するも、軌道は変わらず、

計画は失敗に終わるのだった。

この計画で一人の飛行士が行方不明、

一人の飛行士が失明などの負傷を負ってしまう。

それから、

地球とメサイアの交信は途絶えてしまうこととなる。

 

計画の失敗を聞いた大統領は意を決して、

これからの計画を伝える。

「彗星落下」を食い止めることは不可能、

そして100万人を抽選で選び、地下コロニーに閉じ込め、

2年間生活させ、生存させることだった。




選ばれる人、選ばれない人が決められていく中、

彗星の第一発見者であるリオは、

家族を含め、しっかりと選ばれる。

しかし、ガールフレンドのサラ、

そして家族ぐるみの付き合いである

サラの家族は選ばれることはなかった。

 

そこでリオは「結婚指輪」をサラに渡す。

サラが妻になることによって、

サラやその家族も一緒に救えると考えたからだった。

 

そして「コロニー行き」のバスが来た当日、

なんとサラの家族がバスに乗せてもらえない。

サラは制止を振り切り、

家族と共に家に残るのだった。

コロニーバスは無事に現地に到着するが、

リオはここで、サラを迎えに引き返すことを選択するのだった。

 

一方キャスターとしての仕事を全うしたジェニー、

彼女もコロニーのメンバーに選ばれていたが、

ギリギリで小さな子供を持つ同僚にその席を譲ってしまう。

父親と一緒に最期を過ごすことを

選んだのだった。

 

第一の彗星の破片の落下が

目前に迫った時、

やっとメサイアと交信が復活する。

そこでメサイアは、

「残りの核爆弾を機体に取り付け、そのまま大彗星に突っ込む」

という計画を決めるのだった。

 

大渋滞する高速道路、

バイクに乗りサラを探し続けるリオは

やっとの思いでサラを見つける。

サラの両親はサラを見送り、

赤ちゃんを連れたサラとリオはバイクで高台へと避難していく。

 

道中、片割れの小さな彗星の破片が落下し、

高層ビルよりも高い津波が押し寄せる。

キャスターのジェニーやサラの両親などは、

この津波に飲まれて死亡してしまう。

 

その後に迫る、大本命の彗星だったが、

見事に計画は成功し、

メサイアのメンバーもろとも

彗星は粉々に砕け散るのだった。

リオとサラは高台の上で、

粉々に散る彗星を見上げていた。

 

後日、まだまだ被害が残る街で、大統領は演説を行う。

空に散ったメサイアのメンバーを称え、

全てはこれから始まることを宣言する。

ネタバレ考察

映画の主となるテーマは災害ではない

「見どころ」の項目でも述べたように、

今作の本題となるのは、

「災害映画」としてのメッセージではなく、

「ヒューマンドラマ」として鑑賞できる部分だろう。

 

物語が進んでいく中で、

大統領自身が「諦めること」を選択し、

それをどう受け止めていくかがリアルに描写されている。

 

そして映画のキモとなったのが、

100万人が収容されるコロニーの存在と、

それの「抽選」が行われたことだろう。

人間の深層心理をさらけ出させるような

仕掛けとなった脚本であったが、

ここは綺麗に描かれていたように感じた。

 

このシーンによって、

本作はあくまでも「災害からの脱出」ではなく、

「滅亡に直面した時の人間ドラマ」

であることを物語っている。

 

本作では、そんな「ヒューマンドラマ」を

意識させるのに、他にも手を打っている。




「主人公」を作っていなかった。

今作の主要となる人物は、

全部で四人いる。

・彗星の第一発見者「リオ」

・ニュースキャスター「ジェニー」

・アメリカ大統領「トム」

・ベテラン宇宙飛行士「フィッシュ」

いわゆる「主人公」的な立ち位置の人間

定まっておらず、

各々が同じ世界線で描かれる物語を演じている。

そんな作品の構成からも、

今作がいかに「ドラマ」を意識し、作っているかが

よくわかるだろう。

 

恋人との愛、家族愛、

国のリーダーとしての悩み、英雄の重圧、

色々な想いが交差する中、進行する物語に、

本作の面白さはあるだろう。

 

1990年代とは思えない映像技術

今作が公開された年は1998年、

今一度考えてほしいのは、

今作が20年以上も前の作品だったということだ。

確かに今見ると、

若干のCGの粗さは目立つだろうが、

20年という歴史を噛み砕いた上で鑑賞してみると、

本作がいかにすごい作品だったかが、

わかってくるだろう。

 

巨大な津波によってニューヨークが破壊されるシーンは、

コンピュータグラフィックスで制作され、

このシーンの完成には6か月を要した。

 

また、同時期の公開された映画で「アルマゲドン」があるが、

実はこの作品も、ベースとなった物語は同じである。

内容も「隕石や彗星の落下」という似たストーリーだった。

 

アメリカ映画では、1つの映画作品に

20~30人の脚本家が関わるという制作方法がある。

今作でも、同じアイデアを元に

別々の映画会社でそれぞれが製作が開始され、

「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」

二種類の映画が完成したのだ。