【もし3億円が当たったら?】映画「億男」ネタバレあらすじ考察

本記事では、
前半で、映画紹介&見どころレビュー
後半で、ネタバレ解説&徹底考察を行います。

億男

2018年、大友啓史監督により制作された作品。

川村元気が執筆した同名小説が原作となる。

3000万円の借金を抱えていたが、

3億円の宝くじに当選した男の物語。

上映時間は116分。

 

あらすじ

舞台は日本、

3000万円の借金を抱え、家族とも別居し、

ひたすらに借金を返し続ける「大倉一男」という男が居た。

一男は、たまの休日に娘と出かけた先で、

「福引」を行うこととなる。

 

しかし福引で一等は当たらず、

数枚の宝くじ券が当たることとなる。

期待もせずに調べてみると、

なんとそのくじが見事的中。

3億円の大当たり券となった。

 

お金の使い道に悩んだ一男は、

親友である「古河九十九」

3億円の相談をする。

 

その晩、盛大なパーティーで一晩飲み明かすこととなるが、

朝、目を覚ますと3億円と九十九が消えていた…。

 

出演役者

今作の主人公「大倉一男」を演じるのが、

「佐藤健」

 

一男の親友である「古河九十九」を演じるのが

「高橋一生」

 

九十九の仕事仲間であった三人、

「安田十和子」を演じた「沢尻エリカ」

 

「百瀬栄一」を演じた「北村一輝」

 

「千住清人」を演じた「藤原竜也」

 

見どころ「テーマはお金、今まで描かれなかったテーマ!」

今作の映画、テーマとなるキーワードはズバリ

「お金とは何なのか?」

3億円を追い求めるうちに、

色々な価値観を持つ人物と接触し、

自身も「お金」について考えさせられる。

そんな自己啓発的にも捉えられるテーマで、

物語は進行する。

これまでの映画では描かれなかったテーマであり、

豪華役者陣の演技にも注目である。

 

配信コンテンツ

「億男」は今現在

Amazonプライム、dTV、等で配信されている。

Amazonプライム

 

ネタバレあらすじ

3000万円の借金を抱え、家族とも別居し、

ひたすらに借金を返し続ける「大倉一男」という男が居た。

 

一男は、たまの休日に娘と出かけた先で、

「福引」を行うこととなる。

しかし福引で一等は当たらず、

数枚の宝くじ券が当たることとなる。

期待もせずに調べてみると、

なんとそのくじが見事的中。

3億円の大当たり券となった。

 

お金の使い道に悩んだ一男は、

親友である「古河九十九」

3億円の相談をする。

九十九は今では「バイカム」という企業を大成功させ、

巨万の富を得る社長となっていた。

 

その晩、盛大なパーティーで一晩飲み明かすこととなるが、

朝、目を覚ますと3億円と九十九が消えていた…。

 

昨晩のパーティーに参加していた、

「あきら」と呼ばれる女性に連絡を取り、

九十九を探すも、彼女は九十九の居場所は知らないと言う。

 

代わりに紹介されたのが、

「百瀬栄一」という、かつての九十九の仕事仲間だった。

 

百瀬も九十九の居場所は知らず、

あきらと帰路に就くが、

裏切られたにも関わらず「親友」と謳う一男に、

一男と九十九の関係について聞かれるのだった。

一男と九十九は大学時代の友人で、

「落語研究会」で知り合った。

当時から、人前で喋ると「どもる」癖があったが、

そんな九十九と一男は友情を深めていった。

周りからも「100点コンビ」と言われるほどの

仲良しだった。

 

次に紹介されたのは「千住清人」

彼もかつての九十九の仕事仲間だった。

千住は、九十九と共に「バイカム」を

成長させた過去を語るが、

「バイカム」を売却することで口論となり、

疎遠となっていたのだった。




一男はある日、妻から「離婚」を突き付けられる。

一男は借金のせいであると考え、

宝くじのことを話すが、

それでも引かない妻であった。

 

次に訪れたのは「安田十和子」の元、

彼女は当時、九十九の秘書として動いていたが、

今現在は専業主婦だった。

ここで一男は、大学時代に九十九と行った、

「モロッコ旅行」のことを話す。

その旅行中に九十九は、

「お金の正体」を見つけるために、

大学を中退し、「バイカム」を起業したのだった。

 

離婚届を持って行った日に、

一男は娘のバレエの発表会を見学する。

そこで一男は本当の離婚理由を妻から語られる。

それは一男が、借金返済のことしか考えず、

妻や娘のことを全く考えていないことだった。

 

帰りの電車、項垂れて座っていると、

3億円の入ったカバンを抱えた九十九が乗車してくる。

 

「このお金、今の君にはどう見える?」

の問いに対して、

「全く別物に見える」と返す一男だった。

 

後日一男は、

3億円の一番最初の買い物として、

「娘の欲しがっていた自転車」

プレゼントする。

 

ネタバレ考察

面白さの正体は「想像力」

今作の物語、原作小説がベースとなる作品であったが、

その上でも、

「映画では描かれたことがない作品」だっただろう。

テーマとなるのは「お金とは何か?」

どこかの実業家が啓発本を出しそうなテーマであるが、

かなりの確信を突いた内容だっただろう。

 

まず、主人公の一男の、

「実際にお金が消える」という経験が

描かれていること。

 

本で読むと「文字だけ」の想像でも、

映画というツールによって、

「もし自分だったら…」というような

想像が簡単に働くだろう。

 

今作は、そんな「想像力」を搔き立てるような作品に仕上がった。

そして、一男が出会う数々の人々とのやり取りにも

注目である。

 

様々な価値観を楽しむ作品だった。

今作内で一男が出会う人物、

皆が全て、お金に対して違う価値観を抱いている。

競馬場で出会った百瀬や、

怪しいセミナーを開く千住、

専業主婦の安田、

「お金持ち」ということは共通しているが、

それ以外では違う価値観を抱いていたこともまた事実だろう。

 

彼らやそれ以外の登場人物の価値観に影響され、

一男の考え方が変わっていくのも、

今作の楽しみ方の一つである。




落語の演目「芝浜」というチョイス

作中、一男と九十九は

「落語研究会」に属する仲間であったが、

九十九が披露していた噺「芝浜」は、

今作の物語に大きく関係してくる話となる。

 

この「芝浜」という話も

「お金」がテーマとなる話であり、

物語の構成としても非常に似ているものとなった。

 

この話を知る者だけがピンと来る要素であり、

落語を知らない人が、

この「芝浜」がここまで関係しているとは、

調べなければわからない。

 

あえて詳しく説明を入れなかった演出は正解だった。

(噺の説明をしてしまうのは無粋)

 

映画なりの「答え」は提示されている。

作中の九十九のセリフで、

「お金の価値は人によって違う」というものがあるが、

今作の答えは全てがここに集約されているように感じた。

九十九は「バイカム」という、

「個人が価格設定をできるオークションサイト」を運営し、

その気づきの根拠もしっかりしている。

(モロッコでのお皿の事件)

 

もちろんそれはあくまで九十九の考え方であるが、

一方で千住や安田の考えも決して否定していないのが、

今作の面白いところである。

事実、彼らは億万長者として過ごし、

一男とも良好な関係を築いている。

 

「お金とは何か?」

という問いを前置きにし、

一男の3億円を求める奔走を通して、

「人によって、お金の価値が違うこと」を

一番のテーマとして掲げている作品だった。

 

ラストシーン、戻った3億円で一男は、

3000万円の借金を返すことより、

娘の自転車を買うことを優先している。