「キャビン」のネタバレ感想と考察【モンスターバトルロワイヤル】

  • 2020年12月8日
  • 2021年9月13日
  • 映画
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本記事は、映画「キャビン」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

キャビン

2012年、ドリュー・ゴダード監督によって制作された作品。

山のコテージで楽しむ若者をゾンビが襲うパニックホラー作品。

上映時間は95分。

 

あらすじ

舞台はアメリカ、大学生であるデイナを初めとした5人の男女は、楽しい週末を過ごすために山の別荘に出かけることとなる。

湖で泳ぎ、お酒を飲んで、楽しく過ごす5人だったが、突如とした恐怖が彼らを襲うこととなる…。

出演役者

本作の主人公のデイナを演じる「クリステン・コノリー」

年齢は当時で32歳にも関わらず、歳を感じさせない美しい容姿が話題を呼んだ。

B級でもA級でも、主に「パニックホラー」作品へのキャスティングが多く、最近では「暴走地区-ZOO-」での活躍が有名である。

 

筋肉質なリーダー的存在のカートを演じたのが「クリス・へムズワース」

身長なんと190cmの長身で、「スタートレック」などのSF、アクション作品へとキャスティングが目立つ俳優である。

今では、MARVELシリーズの「マイティーソー」主人公を演じ、アベンジャーズシリーズを初め、数々のアクション作品彼を観る機会が多い。

 

ビッチで明るい女の子ジュルーズを演じるのが「アンナ・ハッチソン」

スタイルが抜群で、彼女もパニックホラー作品への出演が目立つ女優である。

 

真面目な青年ホールデンを演じる「ジェシー・ウィリアムズ」

アクションよりは「ヒューマンドラマ」での活躍が多く、有名所では「グレイズ・アナトミー」シリーズ等に出演している。

 

ヤク中の一匹狼、マーティを演じるのが、「フラン・クランツ」

彼もヒューマンドラマへの出演が多い。アメリカで公開されたドラマ、「ドールハウス」での印象が強い俳優だろう。

ネタバレ感想と考察

「お決まりの展開」を逆手に取った見事すぎる脚本

一見「B級映画」としての立ち位置を築きながらも、映画マニアからの本作の評価はかなり高いものとなる。

その要因となるのが、「お決まりの展開」を逆説的に活用した脚本の手法であるだろう。

何も知らない無邪気な若者たちが、山の別荘に遊びに行く…

そしてジャンルは「パニックホラー」これだけで脚本の全てがわかってしまうようなストーリー展開でありながらも、その展開への合間合間に挟まる、何やらおじさん達が「仕掛け」施していくシーン。

鑑賞者が「なにか裏があるな…?」と勘ぐっても、結末を予想することは不可能であるだろう。

彼らはまるで「一本の映画を取るかのように」彼らの周りの環境を操作し、ゾンビ隊を野に放つこととなる。

メンバーのマーティが、カメラを発見し、ドッキリだと思ってしまうのも無理はない。

その真相が「生贄」であることだけは隠され続けて「お決まりの展開」演出されていく。

今までに描かれたB級パニックホラーの展開全てイジり倒してぶち壊していく脚本こそ、マニアからの高評価の要因であり、本作最大の見どころであるだろう。




タイトルの伏線回収が斬新すぎる…。

本作の映画のジャケット、これから想像するに「立方体の空間」をモチーフにしたパニックホラー作品であることが容易に想像できる。

パニックホラー好きなら誰もが観たことがある、「CUBE」のような内容を想像するだろう。

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しかし、物語の後半に差し掛かるまで、一切登場しない「キャビン」

住まうコテージと森とゾンビの間で鑑賞者は「キャビン」という単語の謎と共に翻弄されることとなる。

そして明らかになる「キャビン」の真実。

そのインパクト溢れるワンシーンで、全てを理解できる破壊力凄まじいものとなった。

点と点が線で繋がる瞬間はいつ観ても映画における最高の演出だろう。

 

数々のパロディキャラクターが登場する作品。

本作の映画では「キャビン」に閉じ込められた数々のモンスターが登場するが、そんな無数のモンスターの中にも、今までに描かれた有名作ホラー作品の怪物達がモチーフとなったモンスターが描かれていることに気がついただろうか?

 

「IT」

モンスターに殺戮され、血の海と化すシーン、銃弾が効かないピエロは「IT」の「ペニーワイズ」イメージしたキャラクターに見えなくもない。

 

「ヘルレイザー」

「キャビン」のエレベーターの中で、デイナの目の前に現れる、丸鋸が刺さった男性、彼のモチーフとなるのはホラー映画「ヘルレイザー」での「ピンヘッド」というキャラクターのパロディであるようにも見える。

 

「リング」

日本を意識する米国のチーム、そんな日本のワンシーンに、まるで「貞子」のような女性が登場するシーンもある。

ジャパニーズホラーは海外でも高く評価されたジャンルの一つだろう。

 

「シャイニング」

モンスター達が飛び交うエレベーターでのシーン、画面左側に立二人の少女、まるでシャイニングでの少女のような立ち姿にも見えるだろう。

 

また本作では、脚本の構成が前述した「CUBE」に似ている演出もあり、「5人で山奥で禁断の書物を読む」という設定は「死霊のはらわた」であり、更には「ガソリンスタンドの老人に注意される」点では「悪魔のいけにえ」を彷彿とさせる脚本でもある。

キャラクターのみならず、映画の脚本すらもパロディに仕立て上げ、言葉には出さない面白さも入り交じるのが本作の楽しみ方の一つだ。




ホラー映画に感じさせない「研究者」の存在。

ホラー映画を鑑賞するに当たり苦手な人々が居るのは、いつでもその「リアル感」依存していることが原因だろう。

ゾンビに襲われる主人公たちそれに抗う仲間たち、そんな「主人公」に自分を重ねて鑑賞していく本来のホラー作品に対して、本作では「傍観者」に重ねて鑑賞できるのが面白い要素となっただろう。

その研究者達も、さながら「映画」を鑑賞するように現場を見守り、どのモンスターが登場するか賭けまで始める始末。

そんな「他人事」として観れるフィルターによって、本作がフランクに鑑賞できる要因の一つとなっていることも考えられるだろう。

そんな安心感をぶち破り、画面の中に飛び込んでくるモンスター達による蹂躙も含めたところで斬新すぎる脚本に二度驚くこととなる。

面白さの要因は「勧善懲悪」のシステム

映画の冒頭、虐殺されていく若者たちを後目に、「賭け」などで笑い合い、淡々と「仕事」をこなす研究者達。

全員が無事?モンスターに殺されると、祝杯をあげ、笑顔で肩を叩き合う。

そんな「人の死」を気にしないキャラクター達が、モンスターに蹂躙されるシーンでは「爽快感」さえ覚えてしまうだろう。

悪気はないにしろ、若者を虐殺させていく研究者達が打って代わり殺されていく感覚こそ「勧善懲悪」の快楽を覚える描写となり、さながら「必殺仕事人」を見る感覚に近い。

本作の「敵」はゾンビではなく、「研究者」たちであると捉えている何よりの証拠となっただろう。