「キャビン・イン・ザ・ウッズ」ネタバレ感想と考察【ヤク中の親友を拘束して克服させる物語!?】

  • 2021年11月20日
  • 2021年11月20日
  • 映画
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本記事は、映画「キャビン・イン・ザ・ウッズ」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。

鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。

キャビン・イン・ザ・ウッズ

「キャビン・イン・ザ・ウッズ」ネタバレ感想と考察【ヤク中の親友を拘束して克服させる物語!?】

 

一つの小屋の中で、薬物中毒の男を克服させようと奔走する男の物語。

上映時間は92分。

あらすじ

舞台はアメリカ、一家の大黒柱マイクの元に、一通のメールが届く。

そのメールの内容は、親友であるクリスが薬物中毒に陥り、発狂している動画が添付されたメールだった。

マイクはクリスを薬物中毒から克服させるために、クリスの住まう小屋に向かい、そこから二人の薬物克服生活が始まる…。

薬物中毒のクリスと、それを救うマイク

出演役者

本作の主人公、マイクを演じるのが「ピーター・シレラ」

マイクを演じるのが「ピーター・シレラ」

本作の主人公で唯一のまともなキャラクターを演じる。

役者としてはあまり有名ではないようだ。

 

本作のもう一人の主人公クリスを演じるのが「ヴィニー・カラン」

クリスを演じるのが「ヴィニー・カラン」

こちらもあまり有名な俳優ではないようだ。

本作の監督を務めるジャスティンとアーロンの別の監督作品に出演している。

ちなみにこの二人、本作の後編となる「アルカディア」にも出演している。

ネタバレ感想と考察

難解すぎる設定にパニック…!!

薬物中毒のクリスとマイク

密室空間の中でマイクとクリスの会話をメインとして描かれる本作、その最中にもメールが送られてきたり、写真を発見したりと不可思議な現象が起こるような作風となっている。

ミステリー色が強い「密室映画」としての立ち位置であるが、ここで注目したいのが、やはり二人の人間模様の部分だろう。

映画前半で展開されるマイクとクリスの関係性、そして少しづつ明らかになるその境遇には、「本作のテーマ」とは少し違った楽しみ方ができる。

最初は険悪で進んでいた二人の関係が、お酒を飲むシーンなどで打ち解けていく描写はどこか子気味良い。

しかしその一方でやはり無視できない、そのわけのわからないプロット…。

「さっき言ってた『テーマ』ってなんなの?」という話になってしまうだろう。

その「超常現象」の数々もそうだが、何より、作品を通しての伝えたいテーマがわからないのが一番の謎だろう…。

そんな「謎の部分」が伝染してか、日本の映画サイト「firmarks(フィルマークス)」での本作の評価は「2.9」ととても低くなってしまい、アメリカの映画サイト「Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)」では65%という、何とも言い難い評価となっていた…。

また本作の邦題のタイトル「キャビン・イン・ザ・ウッズ」であるが、2011年に公開された「キャビン」というパニックホラー作品の洋題と全く同じタイトルである。

これは当時話題沸騰となった「キャビン」からの「勘違い」による鑑賞を目論んでのことだったのだろうか…。

これが意図的なものなのであれば、映画自体に罪は無いにしても、なかなかセコいやり口と思ってしまう…。

(本作の洋題は「RESOLUTION」だった。)




続編映画ありきの本作品だった!!

ヤク中のクリス

この映画が公開されたのが2012年とのことであるが、その5年後、2017年に「アルカディア」という作品が公開されている。

このアルカディアであるが実は、本作「キャビン・イン・ザ・ウッズ」の不思議な要素を全て解き明かすような作品となっている。

その「超常現象」の数々の謎が時明かされるこの映画、この記事にたどり着いた人達には、絶対に観てもらいたい一本である。

ネタバレをしない程度に解説すると、次作「アルカディア」で登場するキャラクターの行く先で、本映画の世界観やキャラクターがそのまま登場する仕組みとなっている。

まさに「キャビン・イン・ザ・ウッズ」のために存在する映画と言ってもいい「アルカディア」であり、またその逆も言える。

この二作品は是非ともセットで鑑賞してほしい。

ちなみに、次作「アルカディア」の監督もジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッドの両監督が務め、この二人の監督自らが主演を務める物語となっている…。

「アルカディア」ネタバレ感想と考察【同じ時を延々とループする地域からの脱出劇】

「何者かの存在」がカギを握る。

キャビン・イン・ザ・ウッズのラストとは...

ここでも「アルカディア」のネタバレをしない程度に本作を考察していくと、やはり気になるのがその「超常現象」の数々である。

メールや動画、そして写真が、「誰か」の手によって、マイクとクリスの元へ次々と送られてくる。

映画の序盤、そして中盤と謎が多いまま物語は進んでいくが、後半でパソコンの画面に映された「リアルタイム」の演出はとても秀逸な内容となっていた。

そう、そこで明らかになるのが「カメラアングル」がそのまま「何者か」の視点となっていることだった。

過去を映すメールの動画は全て、この映画自体のカメラアングルで撮られたものであり、鑑賞者の私たちは「何者かの目線」で映画を鑑賞していたことになるのだ。

本映画のラストでのみ、その存在を匂わせる「何者か」の存在であるが、果たして「アルカディア」でその正体は明らかになるのだろうか??

そして「超常現象」の真相とは一体何なのか?

重ねて言うが、「アルカディア」とセットで鑑賞しなければ意味が無いと言っても過言ではない作品だろう。

「密室映画」と言えば「低予算映画」!!

密室映画のようなシーン

本作「キャビン・イン・ザ・ウッズ」、そして「アルカディア」共に、「低予算映画」としての立ち位置を確立する作品なのは、有名な話である。

密室空間での物語であったことが、一番の要因となっているが、前述したように、次作「アルカディア」で監督自らが主人公として演じていたことも関係していると考えられる。

漏れなく「アルカディア」も「低予算映画」としての立ち位置を確立しており、本映画においては、登場キャラクターはエキストラも含めてせいぜい5〜6人程度で、舞台となる場所も主に「一つの小屋の中」という徹底ぶりとなっていた。

一作目が2012年、そして本作が2017年であることを考えると、「元々二部構成の脚本を描いていたが、資金の都合上、制作が難航した」とも考えられる。

そう考えると、主人公を演じた二人の監督の姿があるのも頷ける。