本記事は、映画「フォロー・ミー」のネタバレを含んだ、感想と考察記事です。
鑑賞したことが無い方は、注意して読み進めてください。
「フォロー・ミー」
2020年、ウィル・ワーニック監督によって制作された作品。
「脱出ゲーム」に挑むインフルエンサーの物語。
上映時間は92分。
あらすじ
舞台はアメリカ、ここに10年以上も配信を続けるプロのインフルエンサー、コールが居た。
大量のフォロワーを抱える彼は生業も「インフルエンサー」であり、毎日生配信をする生活をしていた。
そんなコールたちの元に、とある「脱出ゲーム」に参加する案件が舞い込む…。
出演役者
本作の主人公コールを演じるのが「キーガン・アレン」
ヒロインのエリンを演じるのが「ホランド・ローデン」
配信コンテンツ
「#フォロー・ミー」は今現在、Amazonプライム、U-NEXT、等で配信されている。
ネタバレ感想と考察
まさかの「あの映画」のオマージュ!?
本作を語る上で避けては通れない展開、それは「シチュエーションスリラー」が好きな人なのであれば避けては通れない道だ。
そう、本作はあの有名パニックスリラー、「SAW」を彷彿とさせるシーンが展開される。
言及すべきは作品の中盤〜後半、ここで描かれるアクションシーンである。
「両腕を引きちぎられる」「アイアン・メイデン装置に挟まれる」そして「電気椅子」「水中で拘束される」…などのゲームは、どれも「SAW」シリーズで展開されそうな内容だった。
本作のゲームは「4人を救うために1人がゲームに挑戦する」という内容であったが、全く同じような内容で描かれていたのが「SAW3」だ。
主にSAWでは、囚われる者自身がゲームに参加するスタイルとなっているが、こと3作目に関しては本作と同じような作風が展開されるのだ。
「二重の裏切り」と「裸の死体」の謎。
今回の物語、ハッキリ言ってオチが予想できてしまうような作品となる。
しかしながらそんな読めるオチの裏側、「二重の裏切り」が煙幕となっていたことに皆さんは気がついただろうか?
今作の「全てがフィクション」であるリアル脱出ゲームでは、ゲームの開始前にディーラーであるアレクセイから「全てフィクションだ」と伝えられた上でのゲームとなる。
そしてそこから、鑑賞者も巻き込む形となって「脱出ゲーム」が展開されていく。
物語の核は「このゲームが『本当にゲームか否か?』」であるが、これを予想させまいとする「2つのからくり」が存在していた。
1つ目が「死体の中のカギ」のシーンだ。
今回の「デスゲーム」の開始を告げるこのゲームは、俯瞰して見れば、「フィクションであるはずがない」と思わせるゲームだ。
その後、ドッキリであることが告げられても、「死体が偽物であったこと」は言及されないことからも、「本当に死体を切り開いた」と考えていいだろう。
いくら「ドッキリ」であったとしても、ゲームとしてのラインを超えるゲーム内容はオチへの煙幕となった。
そして2つ目が「マフィアの存在」である。
ここも「ドッキリ」の範囲内の演技ではあったが、「イレギュラー」が起きていることには変わりない。
本当は「ゲーム」であったハズなのに、いつの間にか「リアル」となっている一因にはこのマフィアの存在も、鑑賞者の頭の片隅に居るのだろう。
ちなみにであるが、こちらの死体を切り開くゲームもSAWシリーズで同じようなゲームが展開される。
最も、SAWシリーズでは「生きた人間」を解剖するわけだが…。
「正義感」は本物?映画の持つテーマ。
本作の物語の謎として残るのが「映画の持つテーマ」である。
結果から見れば「コールの持つ正義感」故に、このような結末に至ったと考えるのが自然であるが、コールは果たして「正義感」だけで動いていたのだろうか?
印象的なシーンとして、彼が一人で脱出することを葛藤するシーンがある。
ここで意識されるのが「今の映像も配信されている」ことである。
仮に一人生き延びたとしても、コールは「仲間を捨てた男」として拡散され続け、生きることになる。
もしかすれば、そんな未来が彼の中でも見えていたのかもしれない。
本作ではエンディングロールに載せて、「コールドッキリ大作戦」の裏側が流れる終わりとなるが、「アレクセイを殺した」という結末の後では、とても皮肉な見え方になってしまうのが面白い。
また、今回は「バッドエンド」の作品となっていたが、実は同じような脚本でハッピーエンドとなる映画も存在している。
1997年「ゲーム」だ。
脚本の魅せ方が大きく変わってくるが、こちらでも「壮大なドッキリ作戦」が行われる脚本となっている。
気になる人は是非とも鑑賞してみよう。